【野球】オリックス・能見がガッツポーズした理由 トラ番騒然「見たことない」
驚きの声が上がった。「能見さんがガッツポーズしてる!?」。4月21日のデイリースポーツに掲載されたオリックス・能見篤史投手兼任コーチ(41)の写真だ。トラ番やカメラマンが一様に「見たことがない」と言った。昨季まで16年在籍した阪神では、ポーカーフェースが代名詞。派手なパフォーマンスとは無縁の男がなぜガッツポーズしたのか-。
◇ ◇
ピンチを脱してベンチへ戻る。左手を掲げてガッツポーズ。そこになんの疑問も持たなかった。オリックスの能見しか知らないこちらはそんなに珍しいのかと、驚いたほどの反応だった。本人に聞くと、とりあえず笑った。
「期待に応えられたんで、出たんですよ。自然にやってました」
20日・西武戦、2点リードの八回。漆原がつくった1死一、二塁のピンチを受け登場。代打・栗山を2球で遊ゴロ併殺打に仕留める好救援を見せた。
「中嶋監督から“とんでもないところでいかせるからな。若いヤツのケツを拭くのは(平野佳と)お前らの仕事や”とずっと言われてましたから(笑)紙一重ですけど、抑えたんでね」
経験を買われての移籍。兼任投手コーチとして担当はブルペン。登板以外はベンチからの電話を受け、リリーフの準備をさせる。“本業”は若い投手たちが招いたピンチを刈り取るのが仕事だと、指揮官からは常々言われている。
ここまでリリーフ陣の救援失敗が目立っていただけに、41歳のベテランが見せた快投はチームに勇気を与え、20日・西武戦では登板直後の八回の攻撃で6得点の猛打へとつながった。最高の仕事をやってのけたと言える。
とはいえ、阪神時代はグラブをたたくくらいで、ガッツポーズは見たことがないと聞いた。
「阪神で長くやった人はみんなそうじゃないですか。環境ですよ」
多くは語らなかったが、ひどいやじを飛ばされた経験があり、派手な行為は避けるようになっていった。
オリックスでは自然体でプレーしている。「いい選手が本当に多い。みんな純粋ですし、いい環境でやらせてもらっています」。一方で「阪神の記事は見てますよ。かわいい後輩たちですから気になります」と好調な古巣のチェックも欠かしていない。
ブルペンには欠かせない存在となった。派手なガッツポーズが代名詞と言われるほどに、どんどん見せてもらいたい。(デイリースポーツ・達野淳司)
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