【野球】山陽高に女子硬式野球部が発足 「山陽ドリーム」合言葉に公式戦初勝利目指す
山陽高校(広島市)に今春、女子硬式野球部が発足した。1年生14人が入部し、このほど練習がスタートした。広島県内の女子硬式野球部は県立佐伯高校に続き2校目。同校が教育理念として掲げている「山陽ドリーム」を合言葉に公式戦初勝利を目指す。
女子球児の明るく元気な声が響きわたる。授業を終えると選手たちは練習着に着替え、グラウンドに集合。全員が入学したばかりの1年生とあって、時折、初々しい笑顔ものぞかせながら、キャッチボールやノック、トス打撃など約2時間の練習に汗を流した。
指導に当たるのは、昨年度まで男子硬式野球部副部長を務めていた山口遙教諭(24)。中高でソフトボールをしていた経験を買われ、初代監督に就任した。「大役で緊張しますが、私もみんなと一緒に野球をやっていければ。安全に思い切ってプレーできる環境を整えていきたい」と表情を引き締めた。
今年、男女共学化から10年の節目を迎えた山陽高校。女子生徒の部活動の充実を図るとともに、広島県内で野球を志す女子選手の受け皿になることを目的に女子硬式野球部の創部を決めた。昨年9月のオープンキャンパスで体験練習を実施。マネジャー1人を含む14人が入部した。初心者2人を除くと、あとは軟式野球かソフトボールの経験者だ。
香川県から野球留学の真鍋凛さんは初期メンバーになれることに魅力を感じ、入部を決めたという。「体験練習をして環境が良かった。自分のチームを作れるのがいいなと思った」。広島県内の遠方から来ている選手とともに、寮生活を送りながら勉学と野球を両立していく。
始動からまだ1カ月ということもあり、選手のポジションは決まっておらず、主将も未定。男子とグラウンドや屋内練習場を共有しているため、練習時間の制約もあるが、男子コーチからの指導も受けながらレベルアップを図っていく。選手は毎日、野球ノートを記入し、自らの目標や課題に向き合っている。5月からは実戦形式の練習を増やし、練習試合も予定している。
同校の教育理念で、夢の実現を意味する「山陽ドリーム」を合言葉にする。「夢を持つことが大事だと思うし、高校3年間でその夢を見せてあげることができれば。まずは公式戦で1勝を挙げることが目標です」と山口監督。夢に向かって船出した山陽女子ナインが歴史を紡いでいく。(デイリースポーツ・赤尾慶太)
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◆山陽高校 広島市西区にある私立高校。1907年に創設された。男子硬式野球部は90年と94年に夏の甲子園出場。最高成績はベスト4。全国優勝の経験がある男子サッカー部、ホッケー部なども有名。11年に男女共学化した。主なOBは歌手の西城秀樹さん、巨人・中川皓太ら。
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