【野球】自動昇格の青学大が示した“戦国・東都”

 コロナ禍による自動昇格で2014年秋以来となる東都大学野球リーグ1部に復帰した青学大は、今春の戦いを5勝7敗の5位で終えた。昨秋は入れ替え戦が開催されず、2部で優勝したことで1部に返り咲き。7校による争いとなるなど例年以上に真価が試されるシーズンで1部残留、すなわち1、2部入れ替え戦を回避した。

 “戦国・東都”の象徴ともいえる入れ替え戦を経験しないまま1部に挑むことは、違った意味のプレッシャーもあった。負け続ければ、まだまだ神宮でのプレーはふさわしくないと周囲に印象づけてしまいかねない。

 主将の泉口友汰内野手(4年・大阪桐蔭)は「本当にダメなチームだったら、そのまま(1、2部の)入れ替え戦に行っていたと思うので。そこを踏ん張れたということはこういう結果ですけど、少ないプラス材料だった」と最終戦となった7日の駒大戦後、総括した。

 加えて、1部への残留がかなった意義も率直に述べた。「2部から上がってきて、自分たちが結果を出すということが2部のチームにも影響があって。1部と2部は実力差がないと言われているんですけど、自分たちが結果を示すことで東都リーグも盛り上がっていくかなというのは考えていたので。そこはよかった」

 負け越しはしたが、3点差以内が7敗のうち6試合と接戦を演じた。今秋ドラフト候補に挙がるエース・森圭名投手(4年・富山第一)が本調子といえない中で粘った投手陣は及第点。打線はスーパールーキーの佐々木泰内野手(1年・県岐阜商)が打率・371、4本塁打でいずれもリーグ2位につけるなど神宮を沸かせた。

 19年から指揮する安藤寧則監督も「ここ(1部)で経験しなきゃわからないことというのも選手たちもあったと思うんです。結果として、いいも悪いも出たと思う。自信を持って送り出している選手たちなので」と、一定の手応えを得た。

 鮮やかなブルーをまとった青学大が、1部と2部で実力の差はほとんどないということを証明してみせたシーズンだった気がする。ただ、学生野球の聖地・神宮でプレーできるか、できないか-。天と地の差があるのも“戦国・東都”と呼ばれるゆえん。6月21日から予定される2年ぶりの1部、2部入れ替え戦にも注目していきたい。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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