【野球】阪神ドラ5・村上“遊び”から研究重ねたスライダー 再びつかんだチャンス
ほろ苦デビューから約3カ月-。ドラフト5位・村上頌樹投手(23)=東洋大=が、28日・広島戦(マツダ)でプロ2度目の先発に挑む。プロ初登板初先発を果たした5月30日・西武戦(メット)では、2回1/3を5失点KO。悔しい経験をバネに、ファームで腕を磨いてきた。
再び1軍マウンドに上がるため、取り組んだことの一つが変化球の精度向上だ。中でも、スライダーは試行錯誤を繰り返した。ヒントとなったのは、小林から受けた「遊んで見つけた方が良い」というアドバイス。キャッチボールの際などに、いろいろな握りを試しながら「遊び感覚」で最適のものを探していった。
そこから研究を重ねた。6月24日のウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)では、4三振中3三振をスライダーで奪い、「しっくり来るのがこれかなって思って、投げたら意外と良かった」と手応えを実感。だが、約2週間後の同・中日戦(ナゴヤ)では、再考中であることを明かした。
「自分のスライダーはカーブみたいになってるので、もっとクッって曲がるスライダーにしたくて」と、より直球の軌道に近いところから変化することを追求。同戦の試合前には西純にもアドバイスを求め、握り自体はオーソドックスだが、リリースの瞬間に「中指をグッと入れて押し込むイメージ」を取り入れた。
その後は、尾仲からも「直球と同じように投げるように」とアドバイスをもらい、意識面でも工夫を加えたという。プロの先輩たちから多くの方法を吸収し、着実にレベルアップしてきた。
ここまでウエスタン14試合に登板し、リーグ最多タイの7勝(1敗)、防御率2・53と安定感は抜群。4試合連続でクオリティースタート(6回以上自責点3以下)も達成している。
成長を示し続け、再びつかんだ1軍登板のチャンス。「今はファームのバッターに対しても自信を持って投げることができています。そのままで1軍でも投げたい」。目標に掲げるプロ1年目での初勝利へ、堂々と自分の投球をするだけだ。(デイリースポーツ・間宮涼)