【スポーツ】誓約書まで提出 親方として元白鵬は、立派な横綱を育成できるか

 誓約書を提出して間垣親方となった元横綱白鵬(36)は、果たして心技体そろった横綱を育成できるのだろうか。

 史上最多となる幕内最高優勝45回の大記録を残して引退した白鵬は、9月30日の理事会で年寄間垣の襲名が承認された。

 来年8月21日に師匠である宮城野親方(64)=元幕内竹葉山=が定年を迎え、その時点で部屋を継承するのが既定路線といわれている。すでに都内の一等地に部屋を創設する計画があり、その際は関取の石浦(31)、炎鵬(26)らが部屋の一員となるだろう。

 これまで白鵬はさまざまな言動で物議を醸してきた。それでも圧倒的な実績を盾に、土俵に上がり続けてきた。だが、師匠と呼ばれる立場となれば従来のような言動を慎まなければならない。師匠としての究極の目標となるのは、弟子を横綱に育て上げ、心技体を兼ね備えた後世に名を残す名横綱、大横綱へ導くことだろう。だが、どんな師匠でもそれは困難な道であることは間違いない。

 平成以降、73代横綱照ノ富士を含め11人の横綱が誕生したが、弟子を横綱に昇進させた師匠は元大関旭国の元大島親方、元関脇高見山の元東関親方、元大関貴ノ花の元二子山親方、元横綱三重ノ海の先代武蔵川親方ら計9人。そのうち元横綱が弟子を横綱に昇進させたのは、先代武蔵川親方と元横綱旭富士の伊勢ケ浜親方の2人しかいない。

 白鵬の師匠は元前頭の宮城野親方だが、力士として十分な実績を積んだ。では、心技体の“心”の部分の指導はどうだろうか。白鵬自身、外国出身の力士であるがゆえの文化の違いに戸惑ってきた。それがいつしか相撲協会や横綱審議委員会から注意を受ける事態につながり、今回の誓約書の提出となった。

 厳しい指導で知られる先代の薫陶を受けた元横綱武蔵丸の武蔵川親方は、日本文化になじみ、日本の心を大事にして弟子の指導に当たっている。だが、まだ弟子を関取にするところまでには至っていない。

 現役の照ノ富士を含め、外国生まれの横綱は7人。弟子を横綱まで育てられる可能性があるのは、現時点では、この武蔵川親方と間垣親方(白鵬)と鶴竜親方(元横綱)の3人しかいない。それだけに、間垣親方の責任は重大だ。そのことを踏まえ精進してほしいものである。(デイリースポーツ・今野良彦)

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