【野球】阪神・佐藤輝にゴジラ・松井のように「4番1000日計画」スタートを
今からでも遅くない!阪神はゴジラ・松井秀喜のように佐藤輝明内野手(22)に「4番1000日計画」をスタートさせてほしい。
阪神は、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)で巨人に連敗。日本一は夢のまた夢で終わった。今後、来季に向けて秋季練習、来春のキャンプが始まるが、ぜひとも取り組んでほしいのが、佐藤輝育成プロジェクトである。
今季の佐藤輝は新人ながら126試合に出場し打率・238、24本塁打、64打点の成績を残した。途中、野手の連続無安打記録など不名誉な記録も残したが、田淵幸一の持つ球団新人最多本塁打記録22本を52年ぶりに更新した。4番に抜てきされた試合もあったが、シーズン終盤はファーム落ちも経験。CSファーストS初戦もスタメンで起用されることはなかった。
他を圧倒する飛距離は天性のもので、近い将来は阪神を背負って立つ逸材だけに、ここはさらなるビジョンを持って育てる必要があるだろう。
参考になるのは、巨人・長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)が、松井秀喜を育て上げた「4番1000日計画」だろう。
私は1994年から巨人担当キャップとなり、主に長嶋番の記者として仕事をしていたが、まさにその時期は育成計画のまっただ中だった。92年ドラフト会議で1位指名され入団した松井に対し、長嶋監督は「彼を日本プロ野球界の4番打者にするのが私の使命」とまで公言していた。それが1000日計画だった。
ただ93年は高卒1年目でもあり、あまり直接指導することなかった。それでも57試合に出場し打率・223、11本塁打の成績を残した松井に対し、長嶋監督は94年からはシーズン中でも自宅に呼んで素振りをさせるなどのマンツーマン指導を開始。遠征先や東京ドームの室内練習場でも、付きっきりで指導していたものである。
また、プライベートの指導をしていたのだろう。この時期に長嶋監督から「松井は○○な女性と付き合った方がいい」というような発言も聞いたことがある。長嶋監督の指導が実り、松井は96年には自身初の開幕4番スタートを果たした。だが、実際に4番に定着したのは入団8年目の2000年になってからだった。
巨人の岡本和真、ヤクルト・村上宗隆のように若くして4番に定着する選手もいるが、それでもまだ松井秀喜の域には達していないだろう。佐藤輝はまだ22歳と若い。サイズも松井秀喜の身長188センチ、体重95キロに比べ、身長187センチ、体重94キロと負けていない。
今こそ目先にとらわれることなく、「阪神の4番打者」ではなく「日本の4番打者」に育て挙げるプロジェクトをスタートさせてほしい。それが阪神のため、日本球界のためになる。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)
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