【野球】進化が止まらないロッテ・佐々木朗 高卒2年目当時の大谷との違いとは

 高卒2年目のロッテ・佐々木朗希投手がレギュラーシーズンの後半戦でエース級の活躍を見せた。ポストシーズンでは、6日の楽天とのCSファーストS第1戦で先発。プロ最速となる159キロをマークし、6回1失点と快投を演じた。

 ここにきて周囲から、日本ハム担当として高卒2年目の大谷翔平を見てきた記者に、当時の大谷と今の佐々木朗は、投手としてどちらの完成度が高いかとよく聞かれる。私は当時の大谷よりも、佐々木朗ではないかと感じている。

 佐々木朗は今季、11試合に登板して3勝2敗、防御率2・27。9月10日の楽天戦から6日のCSファーストS・楽天戦まで、5試合全てでクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以内)をマークしている。

 大谷も高卒2年目の2014年は24試合に登板して11勝4敗、防御率2・61と好成績を残している。ただ、私は2人の違いは当時の制球力だと感じている。

 当時の大谷は球速が抜群に速かった。スピードガン表示だけで球威は測れないが、すでに160キロを超えていた。

 佐々木朗は公式戦でまだ160キロを出していないが、直球のほとんどが150キロ台後半。速さだけなら当時の大谷に分があるかもしれない。それでも佐々木朗はカウントを悪くしても直球、フォークでストライクを取れる。特に後半戦は37イニングで四球はわずか5の少なさだ。

 当時の大谷がコントロールが悪かったと言われれば、それも違う。外野でのキャッチボールを見ていても、相手の胸元に寸分も狂わずに投げ返していた。ただ、いざマウンドに上がると1試合8四球など苦しくなる試合もあった。だが、佐々木朗にはそれがない。

 今春キャンプを思い出すと、佐々木朗は前半でブルペンに入る回数が少なく、立ち投げが多かったことが気になったが、「平地で投げられれば、ある程度一緒だと思う」とサラリと言っていた。「(困った時の)引き出しは多くあるので」とも話していた。バランス感覚や、高いポテンシャルを持つ右腕。並の投手なら悩むことも、悩まないのかもしれない。

 もちろん大谷も当時の苦労から段階を踏んで成長し、メジャー級の投手となった。そういう意味では、現段階で完成度の高い佐々木朗は、末恐ろしい投手になるのではないかと思うのである。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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