【野球】成長著しい清原ジュニア リーグ戦デビューへ、カギは守備
異例の転身を遂げたサラブレッドの成長が著しい。西武や巨人などで活躍した清原和博氏の長男で、慶大・正吾内野手(1年・慶応)が今秋の東京六大学野球秋季フレッシュトーナメント全3試合に先発出場。スタンドの父に見守られながら、3日の東大戦、4日の明大戦に4番として主軸を張った。
1日の早大戦では今春の“神宮デビュー”以降、遊撃内野安打で初めてHランプをともした。中学ではバレーボール、高校ではアメリカンフットボールに打ち込み、大学で小6以来となる野球に再挑戦。オープン戦や紅白戦などの夏場の実戦では5本塁打を放つなど「だんだん慣れてきた」と着実に歩みを進めている。
186センチ、90キロと恵まれた体格で「フルスイングが持ち味」と自負するが、この夏は打撃以外も磨きをかけてきた。すでにレギュラー組の練習に参加。メンバー入りした8月の北海道・幕別合宿では「まず守れなきゃいけないので」と、課題として徹底的に取り組んだのは守備面だ。
実際、代打やDHでの出場だった春の新人戦から、この秋はすべて一塁でのスタメンを勝ち取った。「春と比べれば全然、自分の中でも感覚はつかめている」と、鋭い打球もそつなくさばくなど落ち着いて対応。投手への声掛けも目立ち、自信を持ってプレーする雰囲気が漂ってきた。
DH制を採用していない東京六大学野球のリーグ戦では守備で定位置をつかむことが絶対条件だ。堀井哲也監督も「十分チャンスはある。ファーストの候補には挙がってきます」と、来季以降の本メンバー入りに期待を寄せている。「スローイングもいい」と将来的には三塁手での起用という青写真も描く。
父も現役時代は一塁手として、1992~94年の3年連続を含む5度のゴールデングラブ賞を獲得している。自身のSNSでは「自分のファーストミットとリストバンドを今、息子が使っている」と明かした。親子の絆を身につけながら、正吾は来季のリーグ戦デビューへ成長を続ける。(デイリースポーツ・佐藤敬久)