【野球】オリックス・能見が語るセ・パの違い「実力差はないです」
球史に残る激闘を繰り広げた日本シリーズは、4勝2敗でヤクルトに軍配が上がった。セ・リーグの球団による日本一は9年ぶりとなったが、果たしてセ・パの実力差は縮まったのか?前阪神で、第6戦に登板したオリックス・能見篤史兼任投手コーチ(42)に見解を求めた。
阪神から移籍1年目となった今季。能見兼任コーチはシーズン序盤、不安定だったブルペンを支えた。守護神・平野佳が不在の間は抑えも担った。投手陣が整備されてくると、ブルペン担当コーチがメインに。エース山本は試合中でもブルペンに走り、投球フォームのアドバイスを求めたほどの存在だった。
結果的に今季最終戦となった日本シリーズ第6戦では、延長十一回に登板。阪神時代に何度も対戦した村上を左飛に仕留める好リリーフも見せた。
「村上君とはセ・リーグ時代に対戦してますし、傾向とか考えながらうまく打ち取れたのでよかった」
選手兼任コーチとしては理想的な活躍ぶり。その激動のシーズンを振り返り、セ・パの違いについて聞いた。
「一番はDH。パの方が投手のやりくりはやりやすい。セはいい投球をしても代打で交代がある。点差によって投げるリリーフ投手が変わるので何人も(肩を)つくらないといけない。その数は圧倒的にセの方が多い」
ブルペンを預かる立場としては、選手の疲労がもっとも気に掛かるところのようだ。
セ・パの打力の違いには「パはしっかりと振ってくるのが違うところ。三振の数が多い印象はある。思い切りの良さはパの方が圧倒的。7、8、9番でも振ってくる。セはなんとか1番からという頭がある」と話す。
パは指名打者が打順に入るため、どこからでも得点を、と考える。対してセは投手が入るため、どうやって1番から攻撃を始めて得点を挙げるかを優先に考える。これが違いだと分析した。
「パはしっかりと甘いボールを捉えにいく。つなぐ意識はセの方が強い。粘って粘って次の打者にという。投手のところで代打を出したいために、先頭が出たら8番にバントとか戦略的なことが入ってくる」
最後にセ・パどちらが強いか聞いてみた。「セ・パの実力の差はないです。DHの部分が大きいと思います」。交流戦はオリックスが優勝、日本シリーズはヤクルトが制した今季。戦い方に違いはあっても、両リーグで投げた能見兼任コーチは、差はないと見た。(デイリースポーツ・達野淳司)