【野球】もし巨人・中田翔が日本ハムに残留していたら新庄ビッグボスは再生しただろうか

 今、素朴な疑問を抱いている。もし、巨人・中田翔(32)が日本ハムに残留していたら、新庄剛志ビッグボス(49)の下、どう再生したのだろうか。

 中田が7日、契約更改交渉に臨み、減額制限(1億円以上は40%)を超える1億9000万減の年俸1億5000万円(金額は推定)でサインした。

 開幕から39試合に出場して打率・193、4本塁打、13打点という極度の不振にあえぎ、8月にはチームメートへの暴力事件を引き起こして出場停止処分を受けた。その後、球界内外に賛否両論が分かれたものの巨人に無償でトレードされた。だが、巨人移籍後も34試合で打率・154、3本塁打、7打点という成績しか残せなかった。過去、3回の打点王に輝いた男にとって、まさに屈辱のシーズンだった。

 来季、再起を期す中田が、日本ハムに残留していたらどうなっていただろうか。そう考えざるを得ないのは、新庄ビッグボスが就任したからだ。新庄ビッグボスはいわずとしれた「野村再生工場」といわれた故野村克也さんのまな弟子である。野村さんは、成績が振るわない選手や他球団を自由契約になった選手に対して「野村ID野球」を注入し、配置転換することによって貴重な戦力として育てることを得意としていた。

 今年、日本一となったヤクルト・高津臣監督にしても、野村さんが先発として伸び悩んでいた時期に抑えとして配置転換した。その結果、NPBだけでなくMLBでもプレーし歴代2位の通算286セーブを挙げる大投手となった。

 新庄が野村さんの考えを引き次いでいるのは確かだ。実際、8日に行われる「日本プロ野球合同トライアウト」を視察し、新戦力を発掘することを決めている。それは自身のツイッターで語ったように「プロ野球に入ってくる選手のレベルは一緒なんですよ。ほぼほぼ一緒・メンタル的なものに関しては引き出す力が僕にはある」との自信に裏付けされているからだろう。

 中田は、契約更改交渉を終え「スイング一つにしても、萎縮してしまっている自分がいた」と、不振の要因の一つとしてメンタル面を強調した。新庄ビッグボスなら、その要因を取り除くことは可能かもしれない。

 もちろん、中田が巨人に移籍してしまった以上、そんな話は夢物語だ。だが、巨人には大正力が残した「巨人軍は紳士たれ」という遺訓があり、ひげを生やすことを許されないほど、規律は厳しい。

 それに対し、新庄ビッグボス率いる日本ハムは、野球に対して真摯(しんし)に向き合うことはもちろん要求されるだろうが、今まで以上に楽しみながらプレーする雰囲気が漂うだろう。それだけに、新庄ビッグボス指導の下、中田がどう変身を遂げたのか、みたかった気もする。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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