【野球】落合博満氏ら一流選手の共通点は「断固たる決断力」 同学年が述懐「30歳くらいで酒はやめた」
プロ野球で輝かしい実績を残してきた一流選手たちがいる。1972年のプロ入りから、現役引退後も阪神、広島、オリックスなどでコーチを歴任するなど約50年にわたってプロ野球界に携わってきたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「(一流選手は)どの選手も自分が決めたことは頑として崩さなかった」と明かす。
その1人が岡氏と同学年の落合博満氏。現役時代、あるタイミングで飲酒することをスパッとやめたことがあったという。「落合に話を聞いていたら『酒はやめた』って言ってたんよ。30歳くらいの時だったかな。若い時は前夜に酒を飲んで翌日にプレーしても大丈夫だったんだろうけど、健康管理のためにね。やっぱり年を取ることで体には変化が出てくる。私生活から変えていこうというのがあったんだと思う」と当時を述懐した。
落合氏は25歳でプロ入りし、長きにわたって複数球団の中軸を務めてきた。44歳シーズンでの規定打席到達は、いまも破られていない前人未踏の記録。通算2371安打、510本塁打、1564打点、3度の三冠王は唯一という輝かしい実績を残した。
そしてもう1人、岡氏が印象に残っているというのが広島の寮長時代にルーキーとして入団してきた現巨人の丸。「入団から順調に伸びてきて、2015年の時かな。成績がガタッと落ちたんよね。その翌年に話を聞いたら『野球に関係ないことは一切、やめました』と言ってたんよ。若い時の丸は野球に対して全力で取り組みながら、うまく息抜きもしていた。でもそれじゃダメだと思ったんだろうね。野球にマイナスになることを一切排除したことで、16年から広島のリーグ3連覇へつながったんじゃないかなと思う」と明かす。
一流と呼ばれる選手ほど、一度決めたことは絶対に崩さなかった。その背景にあるのは「故障しないという意識じゃないかな」と分析する。故障することでこれまで積み重ねてきた打撃フォームであったり、技術の修正を余儀なくされる。バットを振れない期間が生じることで、技術の蓄積という観点からもライバルたちに遅れが生じる。
「だから今の若い選手たちも故障だけは本当に気をつけてほしい。故障がなかったら自分の技術の上積みができるわけだから」と岡氏。特に近年はセ・リーグで巨人の岡本和、ヤクルト・村上、阪神・佐藤輝、DeNA・牧など若きスラッガーが台頭してきた。彼らがこれからのプロ野球を盛り上げていくためにも、岡氏は「故障だけは避けてほしいよね」と願った。(デイリースポーツ・重松健三)