【野球】「伊藤将司の方がいい」能見が自分より上と評する“田中将大級”制球力

 阪神・伊藤将司投手(25)がオリックス・能見篤史投手(42)らと沖縄県内のグラウンドで自主トレを行っている。14日にオンライン取材が行われたが、その際、能見が伊藤将の制球力について言及したシーンがあった。

 「コントロールは(僕より)伊藤将司の方がいいので、そうなると投球の駆け引きがしやすい。その辺が少し見えてくるとピッチングが面白くなる」

 能見自身も阪神在籍時から制球力を武器としていた投手だが、先輩から伝え聞いた伊藤将は「うれしいですね」と笑顔が弾けた。

 共同通信デジタルのデータを参照すると、伊藤将の昨季のストライク率は64・1%だった。シーズンで2000球以上を投じた投手に限定すると、2位に楽天の田中将がランクインしていたが、ストライク率は68・4%。大幅な差はなく、NPBトップレベル級の投手にも近い数字だ。

 しかし、伊藤将は自身の弱点について「いざとなった時に三振が取れるようにしていきたいという課題がある」と言及している。昨季、ゴロ率が53%と1位の青柳、2位のオリックス・山本に次ぐ3位の数字でグラウンドボールピッチャーぶりが表れていた。課題に挙げる空振り率は6・5%と確かに数字的には少し低かった。

 昨年、調子が出ない時期は変化球でかわす投球になりがちだったというが、能見からは苦しい時こそ「ストレートが軸になる」と投球の基本を教わった。直球の被打率も全体で・194と低いだけに、今季も有効な球となるに違いない。さらに、決め球の確立を目指し能見からはフォークの握り方、変化のかけ方なども教わっている。

 制球力を武器とする伊藤将が直球に磨きをかけ、三振を奪えるフォークを習得することができれば、さらに打者に脅威を与えられる投手となるに違いない。能見流で進化を目指す左腕。2年目の才能開花に期待がかかる。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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