【野球】阪神・木浪 遊撃奪還へアピール継続 DeNA・大和も褒めた身のこなし
定位置奪取へ闘志をたぎらせている。プロ4年目の阪神・木浪聖也内野手(27)がバットでアピールを続けている。新人ながら113試合に出場した2019年には、遊撃守備にDeNA・大和も注目していた。ポジションを取り戻すため、激しい競争を勝ち抜いていく。
正遊撃手候補の中野が下肢のコンディション不良で1軍キャンプ不在の中、木浪、熊谷、小幡らが開幕スタメンを目指してアピール合戦を繰り広げている。木浪は12日の練習試合・楽天戦(宜野座)に「6番・遊撃」で先発出場し、4打数2安打1打点をマーク。15日のシート打撃では昨季最多勝の青柳からバックスクリーンへ一発を放った。
今キャンプでは新たに就任した藤井康1、2軍巡回打撃コーチから4スタンス理論の指導を受けている。「藤井さんは自分に合うような提案をしてくれますし、新井コーチにもいろいろ聞いて、今はちょっとずつ良くなっている部分はあるので、それを継続していけたらなと思います」と徐々に手応えをつかみつつある。
アベレージと走力に秀でる中野に勝つために「一緒ではいけないと思うので、長距離というか、(外野の)間を抜く打球を常に意識してやっています」と差別化を図るため必死だ。藤井康コーチは「まだまだだと思いますけど、変わりつつあるというのは少しずつ感じています」と成長を実感している。
守備での課題はハンドリングとされているようだが、軽快な身のこなしは素人目に見ても華を感じさせる。木浪が新人だった2019年、DeNA・大和が「下半身を使えている」とスローイングの形を褒めていたことが記憶に残る。遊撃は他の内野ポジションと比べ、一塁までの距離が最も遠い。上体主導のスローイングでは安定感は生まれないため、下半身をしっかりと使い、いかに送球の再現性を高めるかが重要になってくる。
16日のケース打撃では小幡が小技をしっかりと決め、矢野監督が高評価を口にしていた。中野の1軍合流は現時点で3月以降の見通し。開幕戦で誰が遊撃を守るかはまだ分からない。激しい争奪戦を制し、レギュラーをつかむため、木浪が存在感を発揮していく。(デイリースポーツ・山本航己)