【スポーツ】カズのW杯予選6ゴール これでもかという「カズダンス」オンパレード

マカオ戦でゴールを決めた三浦知良=1997年
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 あなたは、キングカズが圧巻の「カズダンス」を繰り返し演じた試合を知っているだろうか。

 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)鈴鹿ポイントゲッターズに新加入した元日本代表FWのキングカズこと三浦知良(55)が13日、三重県四日市市中央陸上競技場で行われたラインメール青森との開幕戦に先発出場した。得点こそ奪えなかったが、背番号11の躍動に、チームの過去最多観客数1308人を大きく超える4620人のサポーターが沸いたという。

 今後はJFL初得点、そしてカズの代名詞である「カズダンズ」披露に注目が集まるだろう。私は記者として、これでもか-というほどの「カズダンス」を目の当たりにした経験がある。1997年6月22日、東京・国立競技場で行われた98年フランスW杯アジア1次予選のマカオ戦である。日本は10-0でマカオに大勝したが、FWとして先発出場したカズはこの試合で釜本邦茂、木村和司と並ぶ国際Aマッチでの1試合6ゴールという見事なパフォーマンスでスタジアムを沸かせたからだ。

 前半12分、MF名波浩の右コーナーキックを頭で合わせた得点ラッシュのスタートだった。同29分には、この試合で代表初ゴールを奪った中田英寿の左からクロスを再び頭で合わせた。同44分にはPKを決めて早くもハットトリックを達成した。後半に入っても、12分に18メートルのFKを決めたのを含め3得点を奪った。相手が格下・マカオとはいえ、キングと呼ばれるにふさわしいゴール量産だった。

 試合前、カズは当時の日本サッカー協会の故長沼健会長から「5点取ってこい」とノルマを課されてピッチに立っていた。その上をいく6ゴールに、カズ本人も「まさか取れるとは思わなかった」とほころばせたが、タイ記録と知らされた後のコメントが彼らしかった。「それならば7点取っておけばよかった」-。

 当時のカズは30歳。まだまだ動ける年齢だったが、この年のJリーグ開幕前に右足首を捻挫。リーグ戦では長期離脱を余儀なくされ、このマカオ戦前の代表合宿中も治療は欠かせない状態だった。それでも、自身が93年4月11日のバングラデシュ戦で奪ったW杯予選1試合4ゴールという自己記録を更新したのはさすがだった。

 この試合のカズは髪を中田英寿のように金色に染め、しかも緑のメッシュを入れた姿でピッチに立っていた。それに比べて今は年相応に白髪が目立つ年齢になった。55歳になっても現役にこだわり続けるカズに対しては賛否両論の声があるだろう。だが、どんな相手でも全力でプレーする姿勢が変わらないことだけは確かだ。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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