【野球】金光大阪・岸本 コロナ禍もチームを鼓舞し続けた主将の姿

塁上で雄たけびを上げる金光大阪・岸本紘一=甲子園(撮影・高部洋祐)
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 「選抜高校野球・準々決勝、近江6-1金光大阪」(28日、甲子園球場)

 初出場の金光大阪(大阪)は守りのミスが失点につながり、打線は最後まで近江・山田を攻略し切れなかった。

 点差が開いても、岸本紘一捕手(3年)は最後まで4番・主将として背中を示し続けた。「下を向くな。甲子園を楽しもう」。チームメートを励まし、冷静に指示を与え続けた。

 高校入学時からコロナ禍を過ごしてきた世代。感染対策のため今年も1月18日から2月4日まで練習自粛となり、センバツ出場決定時も部活動はできずにいた。

 そんな苦境に立たされても、岸本は声かけを忘れなかった。チーム全員が入るグループLINEで「練習に入る時の動きを意識して、一発目からしっかり声を出していこう」などと呼びかけ。連係プレーについてもLINEを通じて話し合うなど、現代っ子らしい発想で自粛期間をプラスに変えた。

 この日、四回に一度は同点に追いつく左前適時打。「少ないチャンスをものにするには得点圏で打たないといけない。思いきりいった」。プロ注目の近江・山田の変化球に食らいついた。

 同校OBで特別コーチを務める元中日・吉見一起氏が練習で打撃投手を務めてくれたことも大きかった。「吉見さんの球を打席で見ることができたのが大きかった」と偉大な助けに感謝した。

 甲子園で「自分が試合を作る。主将でも4番でも捕手でも、自分が先頭に立つことでチームが動くと意識した」と全力を出し切った岸本。そのりりしい姿には、アルプスの応援曲「威風堂々」がよく似合っていた。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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