【ゴルフ】原英莉花 スイング改造に光「この状況を楽しみたい」
女子ゴルフの原英莉花(23)=日本通運=に少しだけ笑顔が戻った。今月のニチレイレディース(千葉・袖ケ浦CC新袖C)の2日目にボギーなしで5バーディーを奪って67の好スコアをマーク。ホールアウト後に「今日は最初からいい感じできて、13番でピンチがきたけど(1パットパーで)しのげた」と振り返った。
前日初日の18番パー5では自慢の飛距離を生かしてイーグルを奪った。「あのイーグルが今日のいいイメージにつながったかな。今日もロングホールは全部バーディーを取るぞと思ってプレーした」と前向きな気持ちも口にした。
昨季腰痛に悩んだことで、今季は大幅なスイング改造に取り組んでいる。上半身と下半身のダイナミックな捻転差を生かすスイングから、下半身主導で腰への負担を軽減するスイングへの転換といわれるが、道のりは平坦ではなかった。
開幕からニチレイまでの14試合で4度の予選落ち。ほけんの窓口で今季自己最高の5位に入り、新スイングが軌道に乗ったかに見えたが、その後も好成績は出せていなかった。そういう手探り状況の中でのニチレイ2日目だった。
「ボギーを打たないと楽ですね。結果を気にしないで(スイング改造)は初めてです。毎回うまくはいかないし、たまにずっこける。でも、ずっこけるのが小さい石になってきたから、また平らに戻れる。(ショットが徐々に)許容範囲のミスで抑えられるようになってきて、ティーグラウンドでも嫌だなとかナーバスになることもなくなってきた。どうやって自分のイメージ通りに体を使ってボールを打つかなので」
ニチレイ最終日は3バーディー、3ボギーの72とスコアを伸ばせず、順位は38位だった。2日目に見えかけた光は再び雲の奥に隠れた感じだが、スイング改造への意欲は揺るがない。
「何で『あーあ』って思うんだろう。ミスするからですよね。私は強気でやってきたけど、ゴルフはうまくないので。練習して試合に出ているみんなよりいいプレーができたら…。この状況を楽しみたいですね」
豪快なショットを武器にライバルの戦闘意欲を奪うゴルフで、20年には日本女子オープンと最終戦のツアー選手権リコーカップで優勝。スイング改造が軌道に乗り、最強女王が復活する日をじっと待ちたい。
(デイリースポーツ・松本一之)