【野球】短期決戦の鬼・内川はコロナ禍にあえぐヤクルトを救えるか

 短期決戦の鬼、ヤクルト・内川聖一(39)は、コロナ禍にあえぐチームを救えるのか。

 セ・リーグのペナントレースで首位を独走するヤクルトは10日、新たに9人が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたと発表した。これでチームは8~10日にかけて1、2軍合計で27人が感染した。12日からのビジターで行われる中日3連戦は予定通り開催される予定とあって、まさに緊急事態だ。

 野手では主力の中村悠平(32)、山田哲人(29)、長岡秀樹(20)、青木宣親(40)、塩見泰隆(29)が離脱。同じく離脱した高津臣吾監督(53)の代行として指揮を執る予定の松元ユウイチ作戦コーチ(41)もオーダーを組むのに四苦八苦するだろう。

 だが、81試合を終了した時点で、ヤクルトは2位巨人に13・0ゲーム差をつけの首位。戦力が整わず、仮に26日から2日間行われるオールスターゲームまでの12試合を全敗したとしても、首位を守ったまま後半戦に突入できるのは幸いだ。

 昨季の阪神をみても、いくら首位を独走していてもペナント・レースは何が起きるか、分からない。ただでさえ、これから選手たちがへばる、暑い夏の時期がやってくる。レギュラー陣がそろっていても、コンディションを崩し離脱する選手がでて戦力ダウンを余儀なくされる。

 そう考えれば、後半戦を見据えて、二塁手の武岡龍生(21)や捕手の古賀優大(23)らの経験を積ませるチャンスを生かさない手はない。29本塁打、79打点で本塁打、打点王レースを独走し、三冠王も視野に入れる村上宗隆(22)やホセ・オスナ(29)、パトリック・キブレハン(32)の両外国人などは陰性判定で出場は可能な状態。ライアン・小川泰弘(32)ら先発陣が踏ん張り、守護神であるスコット・マクガフ(32)までつなげば、選手が大量離脱中であっても、勝ち星を積み重ねていくチャンスは十分にある。

 だが、駒不足は否めない。そこで期待したいのが内川のバットである。39歳になり体力は落ちているが過去、クライマックスシリーズ(CS)で安打、本塁打、打点で歴代1位を記録し、日本シリーズでもMVPの獲得経験を持つ短期決戦のスペシャリスト。「短期決戦の鬼」とも呼ばれている。コロナ禍が収まり、チームの戦力が整うまでの短期間なら十分働けるのではないか。

 今季の内川は1軍でプレーする機会はないが、イースタン・リーグでは45試合に出場。3本塁打、25打点、打率・333の成績を残している。ソフトバンクからヤクルトに移籍した昨季はわずか38試合の出場にとどまり、0本塁打、2打点、打率。208という成績に終わった。今季も1軍で結果を残せなければ、通算2182安打を誇り、史上2人目のセ、パ両リーグで首位打者となったアベレージヒッターも現役続行も難しい。現役続行をかけた、バットマンの意地に期待したい。=敬称略(デイリースポーツ・今野良彦)

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