【スポーツ】複数大関かど番場所は過去21場所中7場所で陥落、引退が 苦境の大関陣は意地見せられるか
また苦しい滑り出しとなった。10日から始まった大相撲名古屋場所。2人がかど番の大関陣が、今場所も星を伸ばせないでいる。4度目かど番の正代は、なんと3場所連続の3連敗発進。初かど番の御嶽海は初日白星の後2連敗。かど番ではない貴景勝のみが2勝1敗で白星先行という状況だ。
3日目を終えて、合計3勝6敗。先場所も3日目までで2勝7敗だった。大関が早々と星を落とす展開が、当り前のようになっているのはさみしい。
複数の大関がかど番で臨んだ場所は、現行制度が導入された1969年名古屋場所以降で過去21度(のべ43人)。その成績をひもといてみると、21場所のうち7場所で大関からの陥落(6人)、もしくは引退(2人)が発生していた。
最初のケースとなった1972年春場所の大麒麟と前の山は、2度目かど番だった前の山が6勝7敗2休で陥落決定。次は87年名古屋場所、5度目かど番の若嶋津が初日から3連敗で引退した(もう1人の北天佑は8勝7敗で勝ち越し)。
同時に2人が大関の座を降りたのは2004年九州場所の1度だけ。かど番6度目の武双山が初日から4連敗で引退し、5度目の栃東も3勝3敗9休で陥落が決まった。
過去の21場所で唯一3人がかど番だったのが12年九州場所。初かど番の把瑠都が1勝2敗12休で陥落した。
複数大関のかど番場所で陥落決定者が出たのは、19度目だった19年秋場所の栃ノ心が最後。陥落・引退の発生は、確率的には3度に1度。そろそろあってもおかしくない。
ちなみに優勝者が出たのは、01年名古屋場所の魁皇(13勝2敗)、03年春場所の千代大海(12勝3敗)、16年秋場所の豪栄道(15戦全勝)の3度。逆境をはね返しての美酒だった。ただ、01年名古屋場所では、もう1人のかど番・出島は3勝3敗9休で陥落が決まっている。
御嶽海と正代。崖っぷちの2人は、窮地から脱出できるか。(デイリースポーツ・藤田昌央)
◇複数大関がかど番場所での陥落決定・引退
1972春 大麒麟10勝5敗
前の山6勝7敗2休▲
1987名 北天佑8勝7敗
若嶋津0勝3敗■
2001名 魁皇13勝2敗☆
出島3勝3勝9休▲
2004九 武双山0勝4敗■
栃東3勝3敗9休▲
2012九 琴欧洲9勝6敗
琴奨菊8勝7敗
把瑠都1勝2敗12休▲
2017秋 照ノ富士1勝5敗9休▲
豪栄道11勝4敗
2019秋 豪栄道10勝5敗
栃ノ心6勝9敗▲
(注)名は名古屋、九は九州、▲は陥落決定、■は引退、☆は優勝。