【野球】三浦DeNA 3年ぶりのCS出場権なるか 左腕・今永の復肩がカギを握る
三浦DeNAは、Aクラスに入り3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)出場権を勝ち取れるか。左腕・今永昇太(28)の復肩がカギを握る。
プロ野球のペナントレース後半戦が29日からスタートする。首位・ソフトバンクから5位・オリックスまでわずか2・5ゲーム差にひしめくパ・リーグに対して、セ・リーグは首位・ヤクルトが2位・阪神、広島に11ゲーム差をつけて独走している。優勝マジック41も再点灯し、2連覇に向けて再加速するだろう。
だが、2位以下は混戦ムードだ。最下位の中日は5位・巨人に3・5ゲーム差だが、2位から5位までは2・5ゲーム以内にひしめいている。どのチームもCSに出場できるAクラス確保のチャンスは十分である。その中で、台風の目になりそうなチームがDeNAだろう。
打撃部門に目を向ければ佐野恵太(27)が・331で打率首位、宮崎敏郎(33)が・318で2位だ。4番・牧秀悟(24)も17本塁打、59打点とまずまずの成績を残している。現時点では1試合平均の得点は3・52とあまり高くないが、打線がつながってくれば大幅アップする可能性を秘めている。
問題は投手陣。大貫晋一(28)が7勝4敗、防御率2・36と気を吐いているが、規定投球回には達していない。規定投球回数に達している投手がいないチームはセ・リーグではDeNAだけだ。今後、チームが勝ち星を積み重ねていくためには、長いイニングを投げられる投手が1人でも2人でも必要になってくる。
その期待を一身に集めるのが今永だろう。2019年にはキャリアハイの13勝(7敗)、防御率2・91の好成績でチームが3年ぶりにCS出場を果たす原動力となった。だが、20年に左肩のクリーニング手術を受けて以来、故障に泣かされ続けてきた。今季も春季キャンプ中に左腕を肉離れ。出遅れて開幕は2軍スタート。それでも、5月6日の広島戦(マツダ)で出場選手登録されて現在4勝3敗、防御率2・93の成績を残している。6月7日の日本ハム戦(札幌ドーム)では史上85人目となるノーヒットノーランも達成。全盛時をほうふつさせる投球を随所に繰り広げ始めている。
今季は、ライバルとなる対阪神、広島には未勝利だが、実績は十分。特に広島戦にはめっぽう強く、19年には対広島戦で7試合に登板して5勝0敗とキラーぶりを発揮した。上位チームを引きずり下ろすには頼もしい存在だ。
今永は「投げる哲学者」との異名を持っている。それだけに、オールスター休み期間中、チームの勝利、自らの勝利のためにあらゆる思考を巡らせていたはず。その成果が発揮できれば、チームのAクラス入り、CS出場もみえてくる。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)