【野球】ヤクルト村上宗隆 「意味ある一発」の脅威 試合後半に量産
ヤクルトの4番・村上宗隆内野手の勝負強さが光っている。7月31日・阪神戦(甲子園)で自身初の1試合3発。3、4、5打席連発という現実離れした活躍でチームの4得点全てを本塁打でたたき出し、逆転勝利に導いた。
今季、村上が本塁打を放った試合はチームも19勝8敗1分けと、首位独走の原動力となっている。村上が放った殊勲安打(先制、同点、逆転、勝ち越し、サヨナラなど勝利に結びつく可能性がある打点付き安打)は今季24本で、うち18本が本塁打。本塁打総数37本の半数以上が殊勲本塁打だ。
日本一になった昨年はシーズン39本塁打のうち殊勲本塁打が18本。今年は本塁打、殊勲本塁打いずれも昨年を上回るペースだ。
過去の4番打者の例では、1990~92年の3年連続日本一に輝いた西武の清原和博は90年はシーズン37本塁打のうち殊勲本塁打は15本。91年は23本塁打のうち16本が殊勲本塁打。92年は36本塁打のうち19本が殊勲本塁打だった。88年にリーグ優勝した中日の落合博満はシーズン32本塁打のうち18本が殊勲本塁打。チームを頂点に導く4番は、数だけでなく意味のある一発をたくさん放っている。
本塁打が飛び出すタイミングも勝負強い印象を植え付ける。村上のイニング別本塁打は以下の通りだ。
<前半>
初回 4本
二回 1本
三回 4本
四回 3本
五回 2本
計 14本
<後半>
六回 8本
七回 4本
八回 5本
九回 4本
十一回 2本
計23本
初回4本もインパクトは強いが、延長を含む後半に本塁打が多いことが分かる。勝負の行方を決める上で重要な起点となる六回での本塁打が最多であることも、村上のバットが重要な役割を果たしていることを表すだろう。
相手の出はなをくじく先制弾や勝負どころでの一発は他球団にとって脅威。特に試合後半の3、4、5打席目は、迎えるバッテリーも最大限の警戒が必要になるだろう。
(数字は7月31日まで/デイリースポーツ記録室)