【芸能】現役弁護士芸人・こたけ正義感「法律ネタ」でブレーク間近 審査員の賛辞に涙の熱い奴

 「○○芸人」というくくりは数あれど、こんなタイプはなかなかいないだろう。こたけ正義感(36)は現役弁護士芸人。先に弁護士になってから、養成所に入りプロ芸人になった。「弁護士にも理解が及ばないおかしな法律」にツッコミを入れるフリップネタで活躍している。

 所属するワタナベエンターテインメントの「ワタナベお笑いNo.1決定戦2022」で準優勝。7月には、若手芸人の登竜門「ABCお笑いグランプリ」で準優勝。高い評価を受けた。

 「見たよといっていただく人が増えた感じです」と語るこたけだが、今もなお「平日の日中とかは弁護士の仕事をしていることが多いですね」という。実際に「週1回、2回は行くかなあという感じです」と法廷にも立っているという。

 京都府出身で中学生ぐらいからお笑いにはまった。FUJIWARAと2丁拳銃がメーン出演していたテレビ番組「吉本超合金」が好きで、「高校の時は学園祭でネタをやったり」と芸の道に憧れた。しかし、「自分がプロになれると思っていなくて」。そこで、法学部を経て「そのまま弁護士にいったんなったんですけど」と、はた目には順風満帆に見える進路をとっていった。

 ただ、当時交際中だった今の妻と、お笑いの話をしすぎるあまり、「そんなに好きならお笑いやってみれば」と30歳手前で背中を押された。「普通に弁護士だけをやっていたので」と十分に生活ができる安定した状態から、大海原にこぎ出した。

 「何も不安はなくて。(事務所に)所属できるかもわからないので、1年間は力だめしというか」

 やがて、「ほどよし」というコンビでボケを担当。この時から弁護士とネタ作り・芸人の二刀流となった。「2年半ぐらい前」にコンビを解散しピン芸人に転身。昨年終わり頃にフリップを用いたスタイルに落ち着いた。

 落ち着いた風貌だが、「ワタナベお笑いNo.1」では感情を爆発させた。審査員の「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」を手がけるテレビ朝日の加地倫三氏、「笑う犬」シリーズや「チコちゃんに叱られる!」(NHK)の小松純也氏という、敏腕ディレクターから絶賛された時のことだった。

 「(加地さんに)これからネタ番組にたくさん呼ばれて、売れると思いますと言われて、それでかなり(ぐっと)きたんですけど。その後、小松さんが『僕もこたけさんに投票しました』って言って。僕の存在感とか、ネタの切り口とかが今まで見たことなくて、みたいなことを言っていただいたところから…僕もちょっと覚えていなくて」

 こたけは優勝したチュランペットの隣で、うれし泣きしていた。準優勝なのに。

 妻は昨年末から米国のgoogle本社で働いている。こたけが夢を追いかけるのには十分すぎるバックアップ態勢が整っている。大変そうな逆単身赴任生活だが「とりあえず今は、お互いが元々やりたかったことができているので、それをちょっと頑張ろうかという感じです」と、いける所まで突き進んでいくという。

 そんな中でも、息子に変化が生じていることも感じ取った。絵本をテレビ電話で読んであげると、「前までは、とと(こたけはこう呼ばれているそう)ありがとう、みたいなことを言ってたんですけど、この前、『ととグッジョブ!!』になってて」。エピソードトークに仕上げつつ、父親の顔でこたけは笑っていた。

 次の目標は「R-1」の優勝。「自分がつくったものをしっかり評価してもらいたいっていうのは、売れるというよりも、スポーツで勝ちたいに近いかもしれないですね」と、今回は銀メダルで終わらせられない。

 そしてもしも、芸人として完全にブレークした場合、弁護士の活動はどうするのだろうか。「完全に0にすることはないと思いますね。いざという時に頼ってもらうこともうれしいんで。知っている方とかに」。ファンが殺到するのではと、意地悪に聞いて見ると、「本当に困っている方であれば、もちろんお聞きします!」と誠実な答えが返ってきた。(デイリースポーツ・広川 継)

 ◆こたけ正義感 1986年5月12日、京都府出身。香川大学、立命大法科大学院を経て、2012年に弁護士登録。それと同時に芸人の夢も捨てきれずに養成所の「ワタナベコメディスクール」に入り、事務所所属につなげる。知的キャラかと思いきや中学・高校とバスケ部で、「トライアスロンを完走したこともある」と体力面も自信あり。仕事にNGはなく「激辛でも!」とアピールしている。

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