【野球】巨人の新4番・中田翔は、若き主砲・岡本和復活の起爆剤となるのか
巨人の新4番・中田翔(33)は、若き主砲・岡本和真復活の起爆剤となるのか。
巨人の第91代4番に座る中田翔の打撃が好調だ。14日の広島戦(東京ドーム)では、四回無死一塁の場面で左翼席に第15号の先制2ランをたたきこんだ。これで2004年の小久保裕紀氏(50)以来、4番デビューから4戦連続の打点だ。4試合通算の打率は・500。2本塁打、6打点と乗りに乗っている。
今季は開幕から調子が上がらない時期が続き、2度も出場選手登録を抹消された。7月13日の阪神戦(甲子園)では二回に適時失策を犯し、即時交代を命じられた。先発出場しながら1打席での交代はまさに屈辱だ。また、新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けて、ファン投票で選ばれたオールスターゲームへの出場辞退も余儀なくされた。悲惨なシーズン前半だっただろう。
ところが、岡本和の不振で4番を任されて以来、本領を発揮しつつある。球界内には日本ハムから移籍に関して、いまだに疑問を投げかける声はある。だが、昨季までパ・リーグで3度の打点王を獲得する実力の持ち主だけに、この程度の活躍は不思議ではない。
原辰徳監督(64)も、当面は好調な中田翔の4番起用継続を示唆している。だが、あくまで暫定的な処置であることは中田翔本人も自覚している。巨人はここ数年、20年、21年と2年連続で本塁打王と打点王の二冠に輝いた岡本和が4番としてチームを引っ張ってきた。ところが今季は成績が上がらず、14日終了時点で打率・239、22本塁打、66打点とライバルのヤクルト・村上宗隆(22)に完全に水をあけられている。そのため、8月11日の中日戦(バンテリンドーム)では6番に降格。2019年9月27日のDeNA戦(東京ドーム)以来、3年ぶりに4番以外の打順を打つことになった。
今のオーダーは若き主砲・岡本和再生に大きなプラス材料になる可能性がある。私が巨人担当をしていた時代、長嶋茂雄監督(現終身名誉監督・86)は松井秀喜氏(48)に対し「松井4番1000日計画」を発動中だった。ときの4番は落合博満氏(68)で、松井はあまりプレッシャーのかからない下位打線を打ちながら、実戦経験を積んでいた。そんなステップを踏むことで、松井氏は球界を代表するスラッガーに成長。後にMLBのヤンキースでも活躍した要因のひとつにはなったのは間違いない。
それに対し、岡本和は、入団4年目の2018年からレギュラーに定着し、順調な野球人生を送ってきたと思う。今後の野球人生を考えればもがき苦しみ、もう一度、自らの打撃と向き合う時期は必要だろう。
責任感の強い岡本和だけに、自らの後釜として4番を打つ中田翔が不振ならさらにプレッシャーが増すが、今はその心配はない。チームは3カード連続で勝ち越し。クライマックスシリーズに出場できるAクラス確保もみえてきた。好調・中田翔を起爆剤に、岡本和が輝きを取り戻すのは今しかない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)
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