【野球】DeNAは昨季の燕軍団を再現できるのか 守護神・山崎ら好調な救援陣が強み
DeNAは、昨季ヤクルトが演じた奇跡の逆転劇場を再現できるのか。守護神・山崎康晃(29)ら好調な救援陣が強みだ。
後半戦に入り、DeNAが快進撃を続けている。8月2日のヤクルト戦(横浜)を皮切りに、18日の巨人戦(横浜)を終えた時点で13戦し11勝2敗。本拠地では球団新記録を更新する14連勝中だ。2日に時点で首位・ヤクルトとは12・0ゲーム差をつけられていたが、8日終了時点では6・0差にまで詰め寄っている。昨季、阪神が開幕から独走。6月に時点では2位に最大7・0ゲーム差をつけていたが、終わってみればヤクルトに逆転優勝を許した。40試合も残っているDeNAだけに、不可能な数字ではない。
私がチームを担当していた1992年ごろから台頭してきた三浦大輔監督(48)、石井琢朗野手総合コーチ(51)、斉藤隆チーフ投手コーチ(52)、鈴木尚典打撃コーチ(50)らが首脳陣として集結。98年に同一チームで戦い日本一に輝いた経験を生かし、意思疎通を図っているのも大きいだろう。他球団同様、DeNAもコロナ禍に見舞われたが、現在は大半の選手が復帰。佐野恵太(27)、牧秀悟(24)、宮崎敏郎(33)の主軸に加え、ネフタリ・ソト(33)も本来の打撃を取り戻しつつあることもある。
だが、何よりチームの快進撃を支えているのは、救援陣の充実だ。先に巨人3連戦の継投を振り返れば分かる。15日は先発・今永昇太(28)のあとを受けた伊勢大夢(24)-山崎が好投し3-1で勝利。16日は先発・浜口遥大(27)-平田真吾(32)-入江大生(23)-エドウィン・エスコバー(30)とつないで7-3で勝ち星をもぎ取った。17日も2番手の中川虎大(22)-エスコバー-伊勢-山崎が4回を無失点。同一カード3連勝を飾った。
どのチームでも勝利の方程式と呼ばれるような勝ちパターンの継投策を持っている。だが、連戦が続くと連投を余儀なくされる投手が出てくる。連投が続けば当然疲労は蓄積し、本来の力を発揮できない。だが、DeNAの場合、信頼できる救援投手数が多いため、そんなリスクは軽減できる。
MLBで184試合に登板し、20勝15セーブ26ホールドの実績があるロバート・ガゼルマン(29)も加わってくる。先発も中継ぎもこなせるガゼルマンがうまく機能すれば、9月に10連戦を含め27試合をこなすチームには、大きなプラスになることは間違いない。
2020年、21年と守護神の座を譲っていた山崎が今季、その座に復帰。18日には今季27セーブ目を挙げ19年以来、通算3度目のセーブ王のタイトルも射程に入ってきた。
権藤博氏(83)が監督として指揮を執り、2度目のセ・リーグ優勝、日本一を勝ち取った1998年は横浜市内で優勝パレードを実施。約40万人もの観客が集まるほど地元・横浜は沸いた。コロナ禍ではあるが、奇跡の逆転劇ならその再現も夢ではない。(デイリースポーツ・今野良彦)