【野球】巨人の最下位転落危機を救えるのは、坂本勇人の復活しかない

 原巨人の最下位転落危機を救えるのは、やはり主将・坂本勇人(33)の復活しかない。

 今季、覇権奪回を目指したはずの巨人が大ピンチだ。8月21日の阪神戦(東京ドーム)にも敗れ今季初の6連敗。リーグ最速の60敗に到達し、最下位の中日とはわずか1・5ゲーム差となった。23日からはその中日を本拠地で迎え撃つ3連戦がある。結果次第では順位が入れ替わる可能性も出てきた。

 最下位になれば2018年6月9日以来となるが、100試合以上を消化しての最下位は97年9月5日以来、約25年ぶりの屈辱だ。

 かつて私は長嶋巨人を担当したことがあったが、それ以前にはプロ野球記者として広島、阪神、ヤクルト、横浜に担当記者だった時代もある。その間、巨人がすべての年でリーグ優勝や日本一になったわけではないが、Bクラス、ましてや最下位でシーズンを終えた記憶はない。

 21日の阪神戦を終了した時点で、53勝60敗1引き分け。借金7は今季ワーストタイだが、4位・広島とは0・5ゲーム差、クライマックスシリーズに出場できる3位とは3・0ゲーム差だ。残り試合は30試合を切ったものの、まだまだ射程圏内といっていい。

 12球団最低のチーム防御率3・97、1試合平均約4・37点の失点が示すように、投手陣がシーズンを通じて安定した成績を残していないことは大きい。だが、今回の6連敗中は完全に得点力不足だ。6試合の総得点は8点。阪神3連戦では合計で1点しか取っていない。百戦錬磨の原辰徳監督(64)も頭が痛いところだろう。

 この現状を打破するためには主将・坂本の復活しかない。今季は開幕から左内腹斜筋筋損傷などの故障に苦しみ、3度も出場選手登録を抹消された。だが、16日にはファン投票で選出されたオールスターゲーム出場を辞退する原因となった仙腸関節炎、いわゆる腰痛も回復し16日には出場選手登録され、同日のDeNA戦(横浜)からスタメン復帰を果たした。

 ところが、現在のところ結果が出ていない。21日の阪神戦終了時点で、復帰後の成績は19打数2安打。打率・105で、わずか1打点しか挙げていない。しかも、現在は9打席連続ノーヒット中。ここまでのプロ16年間で2172本安打している本来の姿とは、大きくかけ離れている。

 負担の大きい遊撃を守っていることからくる「勤続疲労」は否定できない。だが、その打撃力、守備力とキャプテンシーはまだまだ低迷するチームには必要だ。今季の出場はわずか54試合。5本塁打、26打点、打率・280という成績では本人もファンも納得しないだろう。野球はチームスポーツ。ひとりではどうにもならない部分もあるが、チーム浮上のためには坂本の存在は決して小さくない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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