【野球】4番に定着した巨人・中田翔は今オフの契約更改交渉で年俸の大幅増を勝ち取れるのか

 4番に定着した巨人・中田翔(33)は今季の年俸1億5000万円からの大幅アップを勝ち取れるのか。

 2年連続のV逸は決まっているが、クライマックスシリーズ(CS)への出場権を得るAクラス確保に向けて、今や中田翔はチームに不可欠なピースとなっている。22日のDeNA戦(横浜)で巨人はわずか5安打。今季10度目となる完封負けを喫した。その要因のひとつがこの試合で4打数無安打、2度の満塁機に、中田翔のバットから快音が響かなかったことも大きい。

 昨年途中に日本ハムで不祥事を起こし巨人にトレードされて以来、中田翔に対する批判の声が完全になくなったわけではない。特に他球団のファンの中にはいまだにその声を上げる人もいる。また、昨季の移籍後、期待を裏切った成績だったため、中田翔の加入を疑問視する巨人ファンもいた。今季も前半戦は2度のファーム落ちを命じられたこともあり、相変わらず中田翔には厳しい目が向けられていた。

 だが、後半戦に入り4番に定着して以降は、かつてパ・リーグ3度の打点王に輝いた勝負強い打撃が戻ってきている。22日終了時点で規定打席到達は難しいが、104試合に出場して打率・278、23本塁打、65打点と結果を残している。

 特に広島、阪神と激しいAクラス争いを演じている9月に入ってからは22日の試合まで、中田翔が打点を挙げなかった試合は5敗1引き分け。今や中田翔の打撃結果がチームの勝敗を左右するまでになっているほどだ。

 一時は最下位転落の可能性もあった巨人がAクラスを確保すれば、中田翔の貢献ポイントは高く評価されるだろう。ましてCSを勝ち抜き日本シリーズに出場し、日本一にでもなればそのポイントはさらに跳ね上がる。巨人担当を経験した時代もそうだったが、巨人には脈々と流れている「優勝」に対する認識がある。巨人の場合、「優勝」の2文字はリーグVではなく、シリーズに勝って日本一になることを意味するというのだ。

 その貢献度は間違いなく、オフに行われる契約更改交渉の材料となり、来季の年俸に反映される。私は巨人、阪神、ヤクルト、広島、横浜、日本ハム、西武の7球団を担当し、契約更改交渉を取材してきた。その経験からすると、球団によって査定するポイントは若干違う。だが、選手側はそのシーズンの活躍に対する対価を前面に押し出すが、球団側は来季への期待を込めての年俸という意味合いを色濃く出す。その食い違いが複数回に契約更改交渉や越年、ときとして年俸調停に発展するのはどの球団にも共通している。

 中田翔は昨年オフの更改交渉で1億9000万円減の1億5000万円でサインした。減額制限(1億円超は40%)を超える大幅ダウンだ。昨季、巨人での34試合に出場し打率・154、3本塁打、7打点の成績とあっては無理もない。だが、今季後半戦の活躍、そしてペナント・レース残り数試合、ポストシーズンの働きによっては、来季の期待料込みで大幅アップを勝ち取る可能性は十分だ。=年俸は推定=(デイリースポーツ・今野良彦)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス