【野球】巨人・岡本和真 大久保コーチの指導でヤクルト・村上のライバルに返り咲けるのか

 原監督(左)と話す大久保打撃チーフコーチ(撮影・佐藤厚)
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 巨人・岡本和真(26)は、デーブこと大久保博元1軍チーフ打撃コーチ(55)の指導で、ヤクルト・村上宗隆(22)のライバルの座に返り咲けるのか。

 5年連続30本塁打という記録を残したが、今季の岡本は打率・252、30本塁打、82打点で、2018年のレギュラー定着以来初ともいえる低成績に終わった。39本塁打、113打点をたたき出し二冠王に輝いた昨季は今季、史上最年少の三冠王となった村上と遜色のない活躍。ポジションも同じ三塁手ということもあり、格好のライバルといわれていた。

 だが、今季の村上は村神様と呼ばれるほどにパワーアップし、チームのV2に貢献。一方の岡本は夏場から極度のスランプに陥り、シーズン後半戦の8月11日の中日戦(バンテリン)からは4番の座を中田翔(33)に明け渡し、5番か6番での出場を余儀なくされた。

 今季屈辱の4位に終わり、来季はペナント奪回を史上テーマに掲げる原巨人にとって、岡本が本来の力を発揮することは必要不可欠だ。岡本は真面目な性格で感情をあまり表に出さないため「覇気がない」と誤解されてきた。だが、打てなくて悔しくない打者などひとりもいない。時には喜怒哀楽を前面に出すことは、岡本本人にとってもチームを鼓舞する意味でも必要だ。そのサポート役として大久保チーフコーチはうってつけの人物だろう。

 私が巨人担当時代、大久保コーチはまだ現役の選手だった。グラウンド外ではその明るいキャラクターで長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)=(86)=から「ブーちゃん」と呼ばれ愛されていた。だが、プレーになると一変。凡打や三振直後にはバットをたたきつけ、ヘルメットを放り投げる激しさを何度も目撃している。当時、この荒々しさに「紳士たれ」の巨人にはふさわしくないとの批判の声もあったが、「うちの選手はおとなしすぎる。お嬢ちゃん野球だ」と嘆いたこともある長嶋監督の評価は高かった。岡本に求められるのはこれかもしれない。

 確かに指導者になった大久保チーフコーチは、その体育会気質を押し出した指導法で問題を起こしたこともある。それでも西武の1軍打撃コーチ時代は「アーリーワーク」と呼ばれてた早朝特打を実施し、選手を鍛え上げている。また、楽天では監督や2軍監督、打撃コーチを務めるなど指導者経験も豊富だ。 今季の成績を振り返り「自分自身もっとできる、こんなもんじゃないと思っているので、そこは来年出せるようにしっかりやりたいです」と話す岡本には心に期すものがあるだろう。第59代の巨人の4番・大久保チーフコーチが、第89代4番の岡本をどう再生させるのか、注目だ。(デイリースポーツ・今野良彦)

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