【野球】阪神の外国人投手が成功する理由とは 重視するのは「カーブ」 メッセンジャーの成功例から定着
阪神は今オフ、ジェレミー・ビーズリー投手とブライアン・ケラー投手を獲得した。2010年以降、阪神の助っ人右腕はメッセンジャーにはじまり、スタンリッジ、マテオ、ドリス、ジョンソン、スアレスなど大きな成功を収めている。
特に阪神でのキャリアをステップアップにメジャーで大型契約を手にする選手も出てきた。19年にセットアッパーとして活躍したピアース・ジョンソンはメジャーでなかなか結果を出せない選手が阪神で覚醒し、アメリカに“逆輸入”という形で戻った。守護神として君臨したスアレスはメジャー経験がないものの、パドレスと大型契約を結んで今年、メジャーで結果を残した。
なぜ阪神の外国人投手は成功を収めているのか。阪神担当時代、奪三振率とある球種が評価の対象になっていることを関係者から聞いたことがある。それはカーブ。2010年代、日本の投手でカーブを駆使する投手は少なかった。昭和の時代に投げられていた球種はいつしか使い手が少なくなっていた。
そのため「日本で投げるピッチャーがいないからこそ、外国人が投げるカーブが有効になる」と語っていた関係者。その言葉を実証したのがエースとして君臨したメッセンジャーだ。150キロ超のストレートにカットボール、スプリット、そこに落差の大きいカーブを織り交ぜ長く先発の柱としてチームに貢献した。
同時期に活躍したスタンリッジもナックルカーブを駆使。カウントを整えるだけでなく、決め球としても威力を発揮した。実際に2人が退団して以降もジョンソンがパワーカーブを駆使して奪三振を量産。スアレスも抑えに定着して以降は投げなかったが、カーブを持ち球として持っていた。
昨年のK・ケラー、そして今オフに獲得したビーズリー、B・ケラーもカーブを駆使する右腕。さらにもう一つのメリットとして、長く阪神で投手コーチを務めメッセンジャーを覚醒した久保康生氏(現巨人コーチ)は「きれいなカーブを投げるにはいいフォームで投げないといけない。状態が悪い時に立て直すボールにもなる」とカーブを投げる“効果”を教えてもらったことを思い出す。
ビーズリーはMLB3シーズンで12.04の奪三振率、B・ケラーは3Aで先発ながら9・94と高い数値をマークしている。岡田新体制で“アレ”を目指すために欠かせないピースとなるか。(デイリースポーツ・重松健三)