【スポーツ】5度目のFIFAランキング算定方法改訂時期がきたのではないのか
アジア、アフリカ勢力の台頭で、そろそろ5度目のFIFAランキング算定方法の改訂時期がきたのではないだろうか。
「FIFAワールドカップ カタール大会 2022」の決勝戦(18日)カードが決まった。準決勝のフランス-モロッコ戦はFWランダル・コロムアニ(24)のゴールなど2-0で勝利し、史上3カ国目となる大会連覇に王手。アルゼンチン-クロアチア戦では、アルゼンチンがFWリオネル・メッシ(35)、FWフリアン・アルバレス(22)のゴールで3-0と圧勝し、36年ぶり3度目のW杯獲得に前進した。
今大会で話題となったのがFIFAランキング下位の国が上位の国を倒すジャイアントキリング(大番狂わせ)の多さだ。24位の日本は11位のドイツ、7位のスペインというW杯優勝経験国を破り、2大会連続の決勝トーナメント決勝進出を果たした。グループFで2位ベルギーを倒し、アフリカ勢初のベスト4になったモロッコのランキングは22位だ。
決勝進出を果たしたアルゼンチンはランキング3位だが、グループC初戦でランキング51位のサウジアラビアに0-1で敗れるスタートとなった。1位のブラジルも12位クロアチアにPK戦の末に敗れ、ベスト8で涙をのんでいる。
サッカーは野球やバスケットなど他の競技とは異なり、大差のつく点取りゲームではない。0-0のスコアレスドロー、1-0の辛勝も多く、それがジャイアントキリングを産む大きな要因となり、サッカー観戦の醍醐味(だいごみ)となっている。だが、森保ジャパンの活躍で新たにサッカーファンになった大半の人は、ランキングと試合結果が比例しないことに疑問を抱くだろうか。
FIFAランキングは、国際サッカー連盟(FIFA)が発表する。1993年から発表が始まり、FIFAに加盟する各国・地域のA代表の公式国際試合(国際Aマッチ)の成績をもとにポイント化して集計。それを毎月発表している。現行の算定方式は「FIFAワールドカップ ロシア大会 2018」後の2018年8月16日から採用されたもので、通算4回目の改訂だった。
1993年の最初の算出方法は対戦国のレベルに関係なく勝てば3ポイント、引き分けなら1ポイントとなり、その累積でランキングが決まっていた。そのため国際Aマッチを数こなすことが重要で「FIFAワールドカップ フランス大会 1998」の最終予選を戦っていた日本が9位にランクインしたこともあった。その後、改訂が重ねられ現行では試合の重要度や試合結果、試合の期待結果が大きくランキングの上下を左右する算定方法となっているといわれている。
今大会などはランキングを基にグループリーグにシード国が決定しておりその重要度は増すばかりだ。
確かに決勝戦はアルゼンチンとランキング4位の対決となった。だが、かつて世界のサッカー界をリードしてきた南米勢、欧州勢とアジア&アフリカ勢の実力差は確実に縮まっているのは事実。新たにそれを反映する改訂が必要な時期がきているのではないか。(デイリースポーツ・今野良彦)