【野球】巨人・桑田ファーム総監督は育成で獲得した三上を救世主として再生できるか

 巨人・桑田真澄ファーム総監督(54)は、育成で獲得した前DeNAの三上朋也(33)を救世主として再生できるのか。

 昨年オフにDeNAから戦力外通告を受けた三上は入団1年目の2014年、チーム最多の65試合に登板して1勝4敗21セーブ13ホールド、防御率2・33と大活躍。特に巨人戦では13試合に投げ6セーブ3ホールド、防御率0・00と抜群の結果を残した。

 その後はクリーニング手術を受けた右ヒジの故障などに泣かされたが、救援陣の一角を担ってきた。だが、昨季はヤクルトと優勝争いを演じた救援陣からはじき出された登板数はわずか19試合。プロ通算9年で346試合に登板し10勝15敗23セーブ114ホールド、防御率3・15でDeNAを退団することになった。

 だが、33歳と老け込む年齢ではない。しかも、オーバースロー、サイドスロー、スリークォーターを駆使し、打者をかき乱す「千手観音投法」いう武器は健在。入団に際し、原辰徳監督が「ハングリーにジャイアンツに入ってくれると思う。今まで持っていた力以上のものが出るんじゃないか」と話したように、復活への期待は大きい。

 だが、育成契約の選手にDeNA時代のチームメート、梶谷隆幸(34)などもおり、支配下選手登録を勝ち取るのは容易ではない。それでも三上にとって心強い味方が存在している。昨季の1軍チーフ投手コーチから配置転換になった桑田真澄ファーム総監督の存在だ。担当記者として彼の現役時代を取材したきたが、その卓越した投球理論には何度もうならされた。その投球理論がなければ174センチとプロ野球の投手としては小柄ながら槙原寛己氏(59)、斎藤正樹氏(57)と巨人の3本柱を形成し、173勝も勝ち星を積み重ねられなかっただろう。

 また、1995年5月24日の阪神戦(東京ドーム)で、3回に三塁線沿いの小フライ捕球した際に右肘を強打。その後、右肘の側副靱帯(じんたい)断裂が判明し、トミー・ジョン手術を受け過酷なリハビリをこなした姿も目の当たりにしている。右ヒジを故障した経験がある三上にとってはこれ以上にないお手本だ。

 背番号はDeNA時代の35から053に変わり、最高で1億を超えていた年俸も育成契約となり最低保障は240万円、高くても400万円程度と予想されている。まさにゼロからのスタートだが、三上は入団に際し「初心に戻って、一から巨人で自分の立ち位置、ポジションをつくっていけたら」と意欲を失っていない。

 支配下選手登録を勝ち取り、昨季は安定しなかったか巨人救援陣に加われるか。「桑田再生工場」の行く末にも注目したい。(金額は推定)(デイリースポーツ・今野良彦)

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