【野球】侍Jが近い将来、WBCで逆輸出選手と戦う日が必ずやってくる

 近い将来、WBCで侍ジャパンは日本育ちの外国人選手が代表に名を連ねるが他国と戦う日が必ずやってくるだろう。

 今季、覇権奪回を目指すソフトバンクが23日、福岡ペイペイドームでドミニカ出身のホセ・オスーナの入団会見を開いた。背番号173を背負う15歳はすでに身長185センチ、体重82キロと恵まれた体格の持ち主。「将来、日本の本塁打記録を塗り替えたい。自分の能力だったら超えられる可能性はあると思う」と、ソフトバンク・王貞治会長(82)の持つ868本塁打超えを見据える逸材だ。

 かつて日本球界は戦力面だけでなく営業面も考慮し、先を争ってメジャーで実績のある大物助っ人を獲得した時代があった。1983年から2年間、巨人に在籍したレジー・スミス(77)はMLBで通算2020安打、314本塁打でオールスターに7度、ワールドシリーズ4度出場した選手だった。だが、最近の日本球界ではマイナーリーグや米独立リーグで結果を残している選手を獲得する傾向が目立ってきている。巨人は昨季プレーした外国人選手の中で唯一、残留したさせたアダム・ウォーカー(32)もそうだ。

 バリバリの現役メジャーリーガーでなくても年俸は決して安くはない。結果を残せば問題はないが、一人数千万円から1億円を超す年俸を支払う助っ人が不振に終われば球団のとってのダメージは決して軽くない。年俸240万円が最低保障の育成契約で、若くて可能性を秘めている外国人選手を獲得して自前で戦力に育て上げるプランは、リスクを少なくトレンドになっていくだろう。

 若手の外国人選手発掘、育成に乗り出したのは広島カープだ。当時の故松田耕平オーナーの発案で1990年11月、MLBのアカデミー制度を参考にして南米のドミニカ共和国に「広島東洋カープアカデミーオブベースボール」(カープアカデミー)を設立したからだ。

 広島カープの担当記者としてこのプランを聞かされたときは、半信半疑だった。だが、当時、チーム関係者から「新聞記者を辞めて、アカデミーのスタッフにならないか。月10万円の生活費でお手伝いさんにいる家で生活できるぞ」と誘われたこともあり、1990年の開講後も注目していた。

 紆余(うよ)曲折はあったものの1995年に広島の選手としてチーム最多の15勝を挙げて球宴にも出場したロビンソン・チェコ(51)やMLB・NPB通算で2000本安打を達成し、2004年には米球宴でMVPに輝いたアルフォンソ・ソリアーノ(47)などを排出。近年でも2020年に育成契約を結んだロベルト・コルニエル(27)を翌年、支配下選手登録し成果を出している。ソフトバンクも外国人選手を自前で育てるメリットは十分だ。

 26日に正式発表された侍ジャパンのメンバーには米国育ちの日系選手、ラーズ・ヌートバー(25)が加わり話題となっているが、その逆もある。世界を舞台に、日本人選手と日本育ちの外国人選手が対戦が待たれるところだ。(デイリースポーツ・今野良彦)

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