【野球】侍ジャパンが世界一になるためには?評論家が徹底検証 球数制限でカギは第2先発か

 野球日本代表「侍ジャパン」の栗山監督が26日、3月に開幕する第5回WBCの日本代表メンバー全30選手を発表した。ダルビッシュ、大谷ら6日に先行発表された12選手、11日に栗山監督が追加で選出を発表した日系選手のヌートバー(カージナルス)に、山川(西武)、栗林(広島)ら17選手を加えた栗山JAPNの陣容が整った。

 原監督が率いた2009年の第2回大会以来、3大会ぶりの世界一を目指す史上最強軍団との呼び声高い侍ジャパン。柳田(ソフトバンク)、坂本(巨人)、平良(西武)、今宮(ソフトバンク)、森(オリックス)らの有力選手が、シーズン優先の意向などで出場を辞退したのは残念だが、それでもメジャー5選手を含む名だたるメンバーが集結した。

 優勝(2006年)、優勝(09年)、ベスト4(13年)、ベスト4(17年)。直近2大会で日本は世界一を逃している。14年ぶり3度目の頂点を極めるため、来月17日から宮崎で11日間のキャンプが張られ、チームとしての結束力を高めると同時に、細かな連係プレーにも注力していくと見られる。

 前回大会と同じく球数制限が設けられた。1次ラウンドでは65球、準々決勝は80球、準決勝、決勝は95球。50球以上投げた投手は中4日空ける必要がある。連投もしくは30球以上でも中1日空ける必要があり、3連投はおのずと禁止となる。メジャーのルールにならって救援投手のワンポイント登板はNGで、最低でも打者3人に対して投げなければならず、同点の場合は延長10回無死二塁からタイブレークが始まるレギュレーションだ。

 侍ジャパンの日程をおさらいしておく。1次リーグは3月9日の中国戦から始まり、10日・韓国戦、11日・チェコ戦、12日・豪州戦と続く。準々決勝ラウンドは1位通過でも2位通過でも16日。米国に舞台を移す準決勝は日本時間20日か21日、決勝は同22日というスケジュールになっている。

 元阪神投手でプロ野球解説者の中田良弘氏は日程、メンバーに目を通した中で、第2先発が世界一へのカギを握るのではないかと指摘した。

 「1次ラウンドでの球数制限が65球でしょ。準々決勝以降の球数制限は少し緩和されてるけど、国際大会の立ち上がりはどうしたって緊張するし、慎重になりがち。その中で65球って言われると、早ければ4イニングで交代ということが十分にあり得る。残りの5イニングをいかに乗り切るかって考えると、3イニングから4イニングを投げてもらいたい第2先発がカギを握ってくるんじゃないかと思うよ。適性や宮崎キャンプなどを見て、最終的に第1先発、第2先発を誰にするか決めていくんだろうけど、日本は長いイニングを投げられる投手が多いのが強みだから、あとは栗山監督を含めたベンチのチョイスが大事になってくるね」

 続けて「2戦目の韓国戦が重要。日本としては全勝で勝ち進みたい。1次リーグの対戦相手を見比べて、一番の強敵と思われるのが韓国。ここに大谷かダルビッシュをぶつけるってことはあるよね」と予想した。

 また、ロッテ監督で侍ジャパンの投手コーチを兼任する吉井投手コーチが23日に「侍ジャパンの戦略ではない」と前置きした上で、「世界のチームを相手に、異国の地で、朗希や由伸が投げてるところが見たい。これから日本を代表する子たちが世界でどれだけ通用するか」と、米国に舞台を移す準決勝、決勝でダルビッシュ、大谷のメジャー組ではなく、共にメジャー志向を持つ佐々木朗希、山本由伸の両右腕を起用したいとの私見を披露した。

 これについて中田氏は「世界一になるためには、どれだけ通用するかを見たいということより、勝つってことが一番大事なこと」とし、吉井投手コーチの私案に疑問符を投げかけた。

 中田氏は個人的意見として「大谷対トラウトのチームメート対決ってのも見てみたいし、ファンのみんなも楽しみにしてる部分だと思う」としながらも、「ただ、一番大事なことは勝つこと。勝たないと意味がない。勝って、見ている人に感動を与える。栗山監督もこれだけのメンバーを集めて勝てなかったらというプレッシャーは相当あると思うけど、日本の本気度を世界に知らしめてほしいね」と3大会ぶりの頂点奪取に期待を寄せた。(デイリースポーツ・鈴木健一)

 侍ジャパン全30選手は次の通り

 【投手】

 ダルビッシュ(パドレス)

 大谷(エンゼルス)

 山本(オリックス)

 佐々木(ロッテ)

 今永(DeNA)

 戸郷(巨人)

 大勢(巨人)

 湯浅(阪神)

 栗林(広島)

 松井(楽天)

 高橋奎(ヤクルト)

 高橋宏(中日)

 宮城(オリックス)

 伊藤(日本ハム)

 宇田川(オリックス)

 【捕手】

 甲斐(ソフトバンク)

 中村(ヤクルト)

 大城(巨人)

 【内野手】

 村上(ヤクルト)

 源田(西武)

 牧(DeNA)

 岡本(巨人)

 山川(西武)

 中野(阪神)

 山田(ヤクルト)

 【外野手】

 鈴木(カブス)

 吉田(レッドソックス)

 近藤(ソフトバンク)

 ヌートバー(カージナルス)

 周東(ソフトバンク)

 ◆侍ジャパン 今後の日程

 2月17日から27日 宮崎合宿

 2月25、26日 壮行試合・ソフトバンク戦(25日は13時半、26日は14時・宮崎)

 3月3、4日 壮行試合・中日戦(ともに19時・バンテリンドーム)

 9日 1次リーグ・中国戦(19時・東京ドーム)

 10日 同・韓国戦(19時・東京ドーム)

 11日 同・チェコ戦(19時・東京ドーム)

 12日 同・豪州戦(19時・東京ドーム)

 準々決勝に進出した場合(1位通過でも、2位通過でも16日の19時・東京ドーム)

 準決勝(日本時間20日か21日の8時・マイアミ)

 決勝(日本時間22日8時・マイアミ)

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