【野球】メジャー移籍を視野に入れるロッテ・佐々木朗希は、出戻り沢村に何を学ぶべきなのか

 将来的にメジャー移籍を視野に入れる佐々木朗希(21)は、ロッテに出戻った沢村拓一(34)に何を学ぶべきなのか。

 レッドソックスから3年ぶりにロッテに復帰した沢村の評判がいい。沖縄・石垣島キャンプではMLB入り前から続けているアーリーワークを継続。誰より早く球場入りして、通常のキャンプメニューが開始される前から体を動かしている。

 沢村は2010年のドラフト会議で巨人に1位指名され入団。入団1年目には先発として11勝11敗、防御率2・03の好成績で新人王に輝き、救援転向後の16年には6勝4敗37セーブと活躍し最多セーブ投手のタイトルも獲得した。その後、ロッテ、レッドソックスと渡り歩き、日米通算456試合に登板した実績を持つ。それだけでも若手の手本となるが、注目されるのがMLBでのプレーだ。

 年齢的な問題もあり、メジャー挑戦は2年で終わった。だが、巨人時代の晩年は右肩の故障などで成績が残せなかったことを考えれば、主にセットアッパーで104試合に登板し6勝2敗13ホールドは立派だ。

 昨年、史上最年少で完全試合を達成し、3月に行われるWBCの日本代表入りしている佐々木朗は将来的なMLB挑戦の意志を隠していない。入団以来、将来を嘱望されてきた佐々木朗は、井口資仁前監督(48)の下で大事に育てられてきた。井口前監督は退任したが、今季からはMLBにも在籍し、侍Jの投手コーチでもある吉井理人氏(57)が監督に就任。佐々木朗のMLB挑戦には追い風になることは間違いないが、米球界で修羅場を体験した沢村の直近情報は貴重だ。

 米球界は日本球界より試合数も多く、過酷な移動を強いられる。当然、トレーニング方法も異なる。よく日本球界入りした外国人選手が、日本の春季キャンプの過酷さに驚く。だが、彼らが練習をしていないわけではなく、自主的に練習を行っているだけだ。佐々木朗がMLB入りした場合を考慮し、トレーニングの違いを学んでおくことは決してマイナスにはならない。

 また、MLB球とNPB球とは大きさが違う。MLB球は滑りやすいともいわれている。佐々木朗は現在、WBCを控えてMLB球での調整を行っているが、一年を通じてそれを使用するわけではない。現在、米球界にいるダルビッシュ有(36)、前田健太(34)、大谷翔平(28)らは使用球の問題だけで肘を痛め、靱帯(じんたい)再建手術を受けたわけではないだろう。だが、MLB球を使用するリスクは無視できない。2年間で100試合以上に登板した沢村なら、ある程度の対処法も理解しているはずだ。

 沢村本人は「自分の野球人生。自分のことは自分で考えなきゃいけない」と話すが、引き出しは多い。佐々木朗も学ぶことが多いはずだ。(デイリースポーツ・今野良彦)

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