【野球】ダルビッシュの想いが人を引き寄せる「年齢とか気にせずに、もう友達と思っている」

 キャッチボールは行わず、今永(21)にアドバイスするダルビッシュ(撮影・吉澤敬太)
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 強化合宿初日、侍ジャパンの中心にはダルビッシュ有投手(36)がいた。観客の大群はダルビッシュの動きに合わせ、場所を変える。選手たちもキャッチボールに熱い視線を送り、ダルビッシュフィーバーとなっていた。

 初日の全体練習後には、室内練習場で佐々木朗と宮城に変化球の握りなどを助言。アップ中には湯浅や高橋宏など、多くの若手投手が極意を盗もうと会話をしている。2日目のブルペンには若手投手たちがネット裏に集合。世界で通用する技術にナインが驚き、刺激を受けていた。

 チーム最年長としてお手本のような行動。この姿に栗山監督も「本当に感謝しかない。若い人たちと話をしてくれながら、自分も学び、いろんなものを与えてもらっている」と頭を下げた。

 この日で第1クールが終わり、ダルビッシュの周辺の様子が少し変わってきた。初日は本人も「結構、警戒されている」と言っていたが、3日が経過し「今は警戒されてないと思います」。確かに、隙を見つけては若手が質問へ。この日のブルペン見学でも、ダルビッシュの横にはいつも若手が座り、野球談議に花を咲かせていた。

 「基本的に自分から話しかけていくと、向こうから質問してくれたりする。基本的にみんなに声をかけるようにしています」。

 レジェンド自ら声をかけることで、若手との見えない壁は完全に壊された。ダルビッシュも「もう友達と思っているので。年齢とか気にせずに友達だと思って、ずっと長いこと一緒に過ごしている人と思って接するようにしています」。この気持ちが自然に人を引き寄せている。年齢や実績などは全く関係なく、ダルビッシュは全員と対等に接している。

 その姿勢は連日1万人を超える観客にも同じだ。サインを待つファンにも、時間をかけて丁寧にサイン。写真撮影にも快く応じていた。誰からも愛される理由が分かった気がした。

 すでに投手だけでなく、野手もコミュニケーションの輪に入っている。村上も「言葉とかじゃなくて、すごい考えて野球をやられている。本当に勉強熱心ですし、見習っていきたい」。昨季の三冠王も尊敬のまなざしを向けた。メジャー組で強化合宿に唯一の参加となったが、偉大な男の存在が侍ジャパンの結束を高めている。(デイリースポーツ・今西大翔)

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