【野球】巨人・オコエ 左翼レギュラー有力候補に急浮上 躍進の原動力はすさまじい危機感
大ブレークの予感が漂う-。初の現役ドラフトで楽天から巨人に新入団したオコエ瑠偉外野手(25)が、28日にウォーカーらの2軍降格が決まった中、キャンプの実戦で頭角を現したこともあり左翼の有力なレギュラー候補に急浮上してきた。楽天で芽が出なかった男の躍進の舞台裏を追った。
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“ダイヤの原石”が、まばゆいばかりの輝きを放っている。現役ドラフトで楽天から入団したオコエ。1軍スタートの春季キャンプで、強烈な存在感を誇示している。
その数字が多くを物語る。紅白戦を含めた実戦は全7試合に出場し17打数8安打の打率・471。2月25日・広島戦(那覇)と26日・DeNA戦(同)のオープン戦は2戦連続で1番に抜てきされ、25日は本盗を決めて快足も披露した。それでも「もっと貪欲にいきたい。結果を出すしかない」と慢心はない。
首脳陣の評価は日増しに高まっている。原監督は「迫力も打席においても非常にいいものを出してくれている。新戦力という中では非常に大きな戦力が加わったなと思いました」と絶賛する。
キャンプでは“激アツ”の外野の定位置争いが展開されてきた。だが、この日にウォーカーとドラフト2位・萩尾(慶大)という外野のレギュラー候補の2軍降格が決定。特にウォーカーは昨季23本塁打を放った実績もある強打の左翼手。開幕までまだ時間はあるが、オコエがレフトの有力なレギュラー候補に急浮上してきた。
超新星の心の奥底にあるもの。それは、すさまじい“危機感”だ。歴史も伝統もあり注目度が高い巨人軍に入団。「ジャイアンツに来た時点で生え抜きではない。結果が出ない試合があれば明日から2軍と言われても、自分の中では仕方ないと思うしかない」と心境を明かす。
楽天時代は毎年のように大きな故障をし、能力を発揮できなかった。「今まで順調じゃない時は大体、けがしてる。一番気をつけます」。1軍キャンプの完走は目前。苦難の道を歩んできた男が、サクセスストーリーをつかみ取りにいく。(デイリースポーツ・巨人担当・伊藤玄門)
◆オコエ瑠偉(おこえ・るい)1997年7月21日生まれ、25歳。東京都出身。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。外野手。背番号50。今季推定年俸850万円。関東第一から15年度ドラフト1位で楽天入団。プロ1年目の16年3月25日・ソフトバンク戦(K宮城)で初出場(代走)。22年オフの現役ドラフトで巨人移籍。