【野球】阪神OBが見た三振しないドラ1・森下翔太の凄さ

 三振の少なかった猛虎OBから見た三振のない新人のすごさとは-阪神・森下翔太外野手が7日・ヤクルト戦でプロ初三振。しかしながら、8日・ヤクルト戦で欠場したものの、今季出場6試合、22打席で1三振と際立つ数字を見せている。

 三振しない要因としてはミート力の高さ、選球眼の良さなどが考えられる。同時にデイリースポーツ評論家・藤田平氏は、オープン戦からここまでの森下を「新人ではあるけれど、早いカウントから打ちいける積極性がある」と診る。

 現役通算2064安打の藤田氏は1978年に208打席連続無三振。その数字は、97年にイチローが216打席連続無三振で塗り替えるまで日本記録だった。

 藤田氏は自身の現役時代を「早打ち」だったと振り返っている。打者としては当然、2ストライクとなれば不利になる。投手が決め球として自分の得意なボールを投げてくるケースが増えるためだ。

 「ピッチャーは打者を2ストライクに追い込んだら自分の決め球で打ち取りにくる。決め球は最も自信を持っているボールなわけだから、バッターからすれば2ストライクまでに来るボールの方がヒットにしやすい」と藤田氏。早い段階でストライクを取りに来るボールは決め球より甘く安打にできる確率が増すという自然な考え方だ。

 さらに藤田氏は別の視点で森下を「ストレートを待ちながら変化球にも対応できる力がある」と指摘した。

 例えば、三振の多い打者の特徴のひとつは「データでは変化球が多い状況で変化球待ちをしていたら、直球が来て対応できず三振してしまうケース」。ここまでの森下は追い込まれても直球と変化球の両方を頭に置けていると見ている。

 一方、三振が少ない別の阪神打者は近本。8日のヤクルト戦終了時点で今季32打席で2三振。同時に両リーグトップの8四球を選んでいる。「近本ほどの打者は、相手投手が警戒して際どいコースを投げてくるため」(藤田氏)。今季のチーム全体を見ても三振数の少なさと四球の多さは特徴的だ。

 開幕前時点で藤田氏が触れていた森下の印象は主に3点。①「ボール球を振らない」②「新人ながら初球から振りにいくバッティング態勢を整えている」③「自分がヒットにできるボール(コースや球種)を把握している」だった。8日のヤクルト戦で今季甲子園初勝利を挙げた岡田阪神。チームの動向とともにドラ1新人の巧みな打席内容に目が離せない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス