【野球】ロート製薬に聞いた なぜ佐々木朗希の登板時「ROHKi」看板? 小文字の「i」にも理由があった
ロッテ・佐々木朗希投手(21)が、14日・オリックス戦(ゾゾ)で今季2度目の先発マウンドに上がる。昨季は今回登板と同じ4月第3週だった4月10日・オリックス戦(ゾゾ)で完全試合を達成。ほぼ同じ日程、同じ球場での登板に快挙再現への期待が集まる。なお今季は6日・日本ハム戦(ゾゾ)で初登板初先発。最速164キロの直球とフォークを軸に、6回1安打無失点11奪三振の快投で今季初勝利を挙げた。そしてこの試合、投球と同様に注目を集めたのが3月から佐々木朗と広告契約を結んでいるロート製薬の広告看板だ。
同社は今季から「ROHTO」と表記された看板を、ロッテの本拠地ZOZOマリンスタジアムのバックネットに設置。さらに佐々木朗の登板日に合わせて「ROHKi」に変える粋な演出も。この取り組みは「佐々木朗希選手の幼少期からのチャレンジする姿勢を、純粋にファン皆さんと応援したい」(同社広報)という思いを込めての決定だった。
6日に初めて実行すると、気づかれにくいかと思いきや、試合中から瞬く間にTwitterなどのSNS上で話題となった。登板した6日~8日の3日間に約9500件の関連ツイートが投稿されたといい、「良い取り組みですね」、「ロートが朗希を応援してくれて、ありがとう」、「ロートさん素敵!」など多くの反応があった。同社のTwitter公式アカウントのフォロワーも7、8日で大幅に増加。同社広報は「非常に大きな反響をいただいている」と、世間からの想像以上の反響はありがたい誤算となったようだ。
さらに、消費者からは電話でうれしい問い合わせも。「粋なことをされているなと思った。これまでも商品を使用していましたが、今後も愛用します」との声があり、ロート製品ユーザーのハートもがっちりつかんだ。テレビや新聞でも多数報道され、同社広報は「正直ここまで反響をいただくとは予想していなかった。ありがたいです」と驚きの様子だった。
看板には工夫もある。通常「ROHTO」の表記は、最後の「O」はアルファベットの大文字。だが、「ROHKi」の表記では最後が小文字になっている。これは、見る人がはっきり認識できるようにするためだといい、「しっかり『ロウキ』と読んでもらえるように」との狙いを込めたアレンジ。小さな気配りで、右腕へエールを送っている。
佐々木朗は6日・日本ハム戦の当日も、看板を「ROHKi」に差し替えられることを知らされていなかった。試合後の取材で報道陣に知らされ、「気づかなかったです」と照れ笑い。その後、看板を指さして笑顔で記念撮影した。同社も「応援したことが佐々木選手にも届けられているのかな」と、社内でもたくさん喜びの声が上がったようだ。
今後も、佐々木朗がZOZOマリンスタジアムで登板する日には、「ROHKi」の看板に差し替えられる。世界の舞台で一回り大きくなった豪腕が再び快挙を成し遂げた時、この広告看板もまた大きな話題を呼ぶかもしれない。(デイリースポーツ・南香穂)