【野球】ロン毛4人衆が野球人口減少に歯止めをかける? 西武・高橋、今井、ロッテ・沢村、日本ハム・伊藤

 野球人口の減少が叫ばれる昨今。出生率の低下に起因する部分もあるだろうが、小学校、中学校、高校において、かつては存在したチームが廃部や活動を停止していたり、別のチームと統合されていたり、連合チームで出場していたりするケースを目にする機会が多くなった。

 野球をするにあたっては、ユニホーム、グラブ、バット、スパイクなど、他競技と比較して経済的に負担のかかる道具を用意しなければならないことも、野球離れに拍車をかけているとも言われる。

 だが、中学まで野球を続けてきた少年が、高校入学と同時に野球を辞めてしまう理由のひとつに、丸坊主の強制があると聞く。中学までは長髪でのプレーが許されていたのに、高校の野球部入部に際し、丸刈りを必須条件としている高校は少なくない。

 愛知県内の強豪校野球部監督に話を聞くと「時代の流れもありますし、僕は丸刈りを強制したくはないんですよね。手入れが簡単だから丸刈りの方がいいという生徒もいますが、できれば丸刈りにしたくないという声も聞こえてきます。有望な選手が丸坊主が嫌で、野球を辞めてしまったという話も聞きます。髪形を理由に大好きな野球から離れてしまうのは、もったいないことです」と語ってくれた。

 エンゼルス・大谷の母校、岩手・花巻東に代表されるように、近年になって長髪を許可する強豪野球部は増えてきた。それでも前出の監督は「古いOBからのプレッシャーもあるんですよ。高校野球は丸坊主が当たり前だろという昔ながらの感覚を持った方も少なくはないので」と、長髪許可に踏み切れない背景を示した。

 ツイッターでも「丸坊主姿に高校生らしさを求めるのはお門違い」「やりたい人はやればいいけど、やりたくない人に強制するのは今の時代に合ってない」「高校野球=丸坊主=時代錯誤」「丸坊主にしなきゃいけない意味って何?」「個性が重んじられる令和の時代」といったコメントがみられた。

 さて今年のプロ野球、西武の高橋光成投手(前橋育英)、今井達也投手(作新学院)、ロッテ・沢村拓一投手(佐野日大)、日本ハム・伊藤大海投手(駒大苫小牧)がマウンド上で髪をなびかせ、熱い投球を繰り広げている。体が弾むリズムに合わせて長髪が揺れる。それぞれが甘いマスクのイケメンということもあり、女性ファンの心をつかむひとつの要因になっている。

 ネットでも「手入れ大変そうだけど似合ってる」「ワイルドだよね」「野球選手のイメージ変わった」「高校野球にもこういう選手いればいいのに」「伊藤投手 今年は少し短め」と盛り上がっていた。

 ロン毛4人衆の活躍は、少なからず新たなファン層の開拓につながっているようで、丸坊主を入部の必須条件としている指導者の心を揺り動かすひとつの材料になってほしいと願う。多感な時期に好きな髪形でいられないことを受容できない生徒はいる。脱・丸坊主を許可する学校が増えることで、野球人口減少に少しでも歯止めがかけられるのであれば、一考に値しないだろうか。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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