【野球】大谷翔平も取り入れる「ショートアーム」 日米球界で「目立ちだした理由」を井川氏が考察
エンゼルス・大谷翔平投手(28)をはじめ、米球界で多く見られる投球フォームが「ショートアーム」だ。近年は日本球界でも若手投手に目立ってきたが、そのメリットとデメリットについて元阪神投手でデイリースポーツ評論家の井川慶氏(43)が語った。
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ショートアームのメリットとしては、トップを早く作れるからコントロールが安定しやすいというのがある。自分も少年野球で教える時、腕の使い方は「後ろを小さくコンパクトにして、前を大きく」と教える。その方が球の勢いも出るので。後ろも前もどちらも大きく使うのはしんどくて、後ろを大きくして前を小さくするとボールの勢いも出ない。
メジャーは昔からそういうピッチャーが多い。ただ、そういう指導を受けているとは思わなくて、恐らく米国では、体を大きく使うというよりも、トップに早く持って来て、あとは腕力でいくという感じが多いので、それが成り立っているのかなと思う。
最近、日本でショートアームが言われ出したのは、その投げ方にあった筋力も付いてきているのがあるのかなと。昔みたいにウエートをせずに走り込みだけとかでは、ショートアームは難しい。結構腕を使うし、筋力が必要なので。そこがなければ、制球面ではいいかもしれないが球威が落ちるので。あと、後ろを大きく使うよりは、腕への負担も少ないのかなとも思う。
デメリットを挙げるとすれば主観になるが、打者からするとトップが早くあがってくるので、ボールが見やすいところはあるかもしれない。僕はトップが遅かったから、打者からするとタイミングがズレる。だから、球速が140キロちょっとでも抑えられたと思う。
何もかもショートアームにすればいいとは思わないし、どちらがいいとかはない。小さい頃からショートアームでやっていれば大丈夫だと思う。途中で矯正してショートアームにするのであれば、それなりの技術が必要になってくる。筋力とかタイミングとかもあると思う。