【野球】制球難繰り返す藤浪に阪神時代の師が指南「ダル、大谷、雄星も…」メジャー生き残りへ唯一の方法

 アスレチックス・藤浪晋太郎投手(29)が安定しない。メジャー移籍後初の2試合連続無失点とした12日(日本時間13日)のレンジャーズ戦で待望のメジャー初勝利を挙げたが、16日(同17日)のダイヤモンドバックス戦では1回1/3を4安打2失点。32球中ボール球は9球だったが、阪神時代と同様、右打者の内角に突如としてボールがすっぽ抜け、四球を恐れて球をそろえたところを痛打された。3試合連続無失点とはならず、防御率は12・24に悪化した。

 今季は12試合に登板して1勝4敗。25回を投げて31安打、21四球、24奪三振。奪三振率は8・6個と高い水準に位置しているが、与四球率は7・6個と、課題の制球難を解消したとは言いがたい。2012年の甲子園で春夏連覇を果たし、ドラフト1位で阪神に入団後、3年連続で2桁勝利を挙げた頃の輝きは取り戻せるのだろうか。

 阪神入団時の投手コーチで、現関大野球部アドバイザリースタッフの山口高志氏は藤浪の現在の投球フォームについて「大谷やダルビッシュがそうであるように、力を抜いてトップを作りにいかないといけないんだけど、藤浪はそれができていない。トップを作るまでにいかに力を抜けるか。そうでないと前でさばけない。今はトップに上がりきらないままに投げにいっている」と、脱力できずに投球フォームを起こし、最も効率的に力を伝えられる形が整わないままに投げ出していることが、制球難の要因になっていると指摘した。

 阪神在籍時の与四球率は4・2個だったが、ボールの違いはあるにせよ、現在の7・6個は当時をはるかに上回る数字だ。

 山口氏は「ダルビッシュも大谷も雄星もメジャーへ行って投げ方が変わった。ショートアームにしたり、メジャーの野球に順応して球速も上がった。藤浪もメジャーで生きていくためには、フォームを変更して順応していくしかないのではと思う」と、テークバックが大きい現在の腕の使い方を見直し、肩肘への負担も軽減され、制球の安定にもつながるとされるショートアーム投法へのモデルチェンジを推奨した。

 鳴り物入りでタテジマに袖を通し、白星を量産した頃は剛速球とスライダーを武器として「見事なクロスファイヤーが右打者の外角いっぱいに決まっていた。しっかりとしたそのラインがあった」と振り返る。その後、ツーシーム、カットボール、フォークなど、「球種を増やしていくたびに、そのラインが崩れていった」と、10年前と現在との違いの背景を解説する。

 ただ、現在も160キロ近い剛速球は健在で「メジャーのマウンドに上がれるということは、練習ではいい球を放っているということ。オープン戦でも結果を出していたわけだし。阪神時代もブルペンではいい球を投げていた。それが試合では結果が出せないとなると、メンタルの問題という部分もあるのかもしれないけど」としながらも、早い段階で自らの最適解にたどり着いてほしいとの思いを打ち明けた。(デイリースポーツ取材班)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス