【野球】岡田阪神の強さの秘けつ!?リーグ最少の逆転負け数「当たり前のことを当たり前に」救援陣離脱相次ぐも守り勝つ野球随所に
岡田阪神が2位・DeNAに2ゲーム差をつけて首位を快走している。6連勝をマークした17日終了時点での貯金は今季最多の「9」。2桁貯金一番乗りが目前となっている中、データをひもとくと「当たり前のことを当たり前にやる野球」というキーワードが浸透していることが浮かび上がってくる。
それは逆転負け&逆転勝ちの数-。試合をひっくり返されて敗れた「5つの黒星」はリーグ最少だ。一方で逆転勝利の数はリーグ5位の7試合。いかに序盤でリードを奪い、守り切り、そして突き放して白星を積み重ねているかが分かる。
救援陣に目を向ければ、守護神の湯浅が離脱し、勝ち試合の継投も任されていた石井も故障で再調整となった。そんな状況下でも逆転負けが少ないのは豊富な投手陣に加え、“スキを見せない野球”が浸透してきているからではないだろうか。
岡田監督はデイリースポーツ評論家時代、近年の阪神についてこう指摘していた。「セオリーでは考えられないようなプレーが出て、試合の流れを失ってしまう。全体的に見ても、ミスが起因となって接戦で痛い星を落とすことが多々、あったと感じる」と語り、「なぜそういうプレーが出てしまうのか。原因として考えられるのは、状況判断ができていないこと。そして『基本』という大切な部分が抜け落ちてしまっているからだろう」と分析していた。
昨年の就任後から基本プレーの徹底を意識付けさせてきた。守備位置に関してもベンチが責任を持って流れを読み、内野の前進&定位置などは指示してきた。攻撃にしてもバントで走者を送る場面はきっちりと送り、得点に結びつける。開幕からゲームを見れば、選手の好不調の波はあったとしても、痛いミス、あり得ないミスは減った。
特にリードしている展開で相手に流れを渡してしまうようなプレー&采配はなく、きっちりと勝ち切っている印象。「プロ野球は“当たり前のことを当たり前のようにやる”のが大前提」と岡田監督が口癖のように語っていたように、当たり前のことを徹底し、一度つかんだ主導権は絶対に最後まで渡さない。
それが逆転負けの少なさにつながっている要因だろう。チームの得点数はリーグ2位の145で失点数は同最少の103。得失点差+42もリーグ最高の数字だ。“大人なゲーム運び”ができるようになったと言っても過言ではない。(デイリースポーツ・重松健三)