【野球】中田翔の早期復帰の可能性が浮上し、巨人逆転Vのラストピースは菅野の復帰時期か
中田翔(34)早期復帰の可能性が浮上し、巨人の逆転優勝へのラストピースはやはり菅野智之(33)の復帰時期か。
右太もも裏肉離れの影響で5日に出場選手登録を抹消されている中田翔が、順調に戦列復帰の階段を上っている。21日には巨人-中日戦(東京ドーム)の試合前練習に参加。原辰徳監督(64)ら首脳陣と話し合いを行い、早ければ24日の3軍戦である独立リーグ交流戦・対埼玉武蔵(ジャイアンツ球場)で実戦復帰する可能性が出てきた。
右太ももの故障だけに無理に早期復帰し、再発するのはチームも本人も避けたいところ。私も何人も無理をして復帰し、逆に長期化する選手をみている。5月31日からセ、パ・交流戦がスタート。パ・リーグの本拠地では守備の負担がかからない指名打者としての出場が可能なだけに、当面はそこが1軍復帰の目標となるだろう。
今季の中田翔は開幕から絶好調だった。21日現在規定打席に達していないが、打率・301、7本塁打、15打点は4番・岡本和真(26)の・303、7本塁打、21打点、打撃好調の大城卓三(30)の打率・305、6本塁打、17打点と遜色ない数字だ。
21日現在12球団ワーストのチーム防御率4・15が示すように、巨人は“投壊”現象に苦しみ、5月中旬まで立浪中日とリーグの最下位争いを演じていた。だが、ここへきて投打の歯車がかみあい5連勝中。46日ぶりの貯金1で3位に浮上するなど明るい兆しがみえてきている。21日の中日戦では育成ドラフト1位で、5月15日に支配下登録されたばかりの松井颯(22)が5回無失点の快投。巨人としては育成新人初の初登板初勝利を挙げ、勝利に貢献するなど新戦力も出てきた。
だが、さらに上位を目指すにはピースが足りない。現在、先発陣はともに4勝して戸郷翔征(23)、フォスター・グリフィン(27)を中心に回っているが、100試合以上残っているシーズンを考えればそれでは苦しい。安定感のある先発投手は原監督も喉から手が出るほどほしいところだろう。
原監督は先日、菅野に対する質問をした報道陣に対し「何してんの?聞いてきて」と話している。脳裏にあるのは、これまで巨人の投手陣を支えてきた菅野の復活だろう。菅野は右ヒジの違和感を訴えて、開幕前にチームを離脱。現在は2軍で調整しているが、右ヒジの不安もなくなり、ブルペンでの投げ込みを開始し、実戦登板も視野に入ってきている。
焦って復帰し再発したら何もならないが、二度のMVP、沢村賞に輝き、最多賞3回、最優秀防御率4回の実績は、現役投手として最高レベルだ。万全の菅野が先発陣に加わればローテーションが楽になる。その時期がいつになるのか。暑い夏か、それとも優勝争いが熾烈(しれつ)を極める9月以降か。いずれにしても巨人が現在、優勝争いを演じている阪神、DeNAの間に割って入るには、菅野の右腕は必要不可欠だ。(デイリースポーツ・今野良彦)