【野球】本塁打王争い独走のエンゼルス・大谷 球宴のホームランダービーでリベンジを果たすのか
アメリカン・リーグの本塁打ライキング1位を独走するエンゼルス・大谷翔平(28)は、オールスターゲーム(球宴)のホームランダービーでリベンジを果たすのか。
大谷は18日(日本時間19日)、敵地・カンザスシティーでのロイヤルズ戦に2番・DHで先発出場し、第3打席で2試合連続となる24号逆転2ラン本塁打を放ち、チームを勝利に導いた。6月の月間成績は打率・400、9本塁打、20打点、OPS1・438、長打率・938と驚異的な数字を残し絶好調だ。
初の本塁打王、打点王獲得に加えて、自身初となるポスト・シーズン出場に向けて、今後さらに熱い戦いを繰り広げることになるが、その前に大イベントが待ち受けている。7月11日にシアトルのTモバイルパークで開催される球宴だ。
今年もファン投票のDH部門では圧倒的な支持を集めており、3年連続3度目の球宴出場は有力。投手としても選出されても、前後の登板によっては昨年のようにマウンドに立たない可能性はある。だが、球宴で主役の座を務めるのは間違いない。
大谷は初出場の2021年に悔しい思いを味わっている。球宴前夜のホームランダービーに出場し優勝オッズ1位(4・8倍)に推されながら、1回戦でファン・ソト(24)=当時ナショナルズ=に競り負けたからだ。
MLBのホームランダービーは1985年から球宴の関連イベントとして実施されている。出場選手は基本的に球宴出場選手の中から8人(辞退可能)が選ばれるが過酷だ。途中1回45秒間のタイムアウトが可能(決勝は1回30秒のタイムアウトが追加)だが、制限時間内に球数無制限で本塁打数を争うからだ。本塁打数が対戦者と同数になった場合は、1分間のタイブレークが追加。それでも同数の場合は、時間制限はなく決着するまで3スイングずつ打たなくてはならない。
21年は制限時間内の争いで、ともに22本塁打でタイブレークに突入。1分間の勝負でもともに6本塁打を放ち2度目のタイブレークとなる激戦だった。その後の3スイング勝負で先攻のソトが3発。大谷は1スイング目のでゴロとなり敗退したが、終了後は無尽蔵のスタミナを誇る大谷も肩で息をするほどの消耗戦だった。
この激闘が響いたのか、後半戦に入り大谷の本塁打数が伸びなくなり、最終的にゲレーロJr.(24)=ブルージェイズ、S・ペレス(33)=ロイヤルズ=に本塁打王をさらわれている。そのため、今年は昨年に続いてホームランダービー出場辞退を促す声は大きい。確かに後半戦に備えて体力を温存するためにも、出場しない方がベターかもしれない。だが、これまで数々の常識を覆してきた二刀流が、このまま黙っているとは思えない。
21年は受け取った賞金15万ドル(当時約1650万円)を小切手にして日頃の感謝を込めて、トレーナーやクラブハウスのスタッフ、広報担当者ら約30人に贈っている。今年は優勝賞金100万ドル(約1億4150万円)を贈りたいと願ったとしても、なんら不思議ではない。(デイリースポーツ・今野良彦)