【野球】阪神・佐藤輝は「このままでは並の選手で終わってしまう」と評論家が危惧 岡田監督も最後通告

 一体、どこが変わったのだろうか。不振から6月25日に出場選手登録を抹消され、近本の骨折離脱に伴い、7日の再昇格予定を前倒しして、5日・広島戦から1軍に合流した阪神・佐藤輝明内野手(24)だが、復帰後の4試合で15打数1安打の打率・067、0本塁打、0打点と全くいいところを見せられずにいる。

 抹消時には平田ヘッドコーチから「プレー以外のところも見られているぞ」とゲキを飛ばされ、2軍降格中の野球に取り組む姿勢について和田2軍監督は「打つだけじゃなくて、守備も走塁もしっかりやろうという意識は見て取れる」と評価した。2軍戦5試合に出場して20打数9安打の打率・450、1本塁打、4打点と結果を残したが、1軍では勝利を呼び寄せる働きがここまでのところできていない。

 復帰後初安打を放った6日の広島戦後に岡田監督は「おお、別に悪ないやんか」と話していたが、4打数無安打に終わった8日・ヤクルト戦後には「見ての通りよ。あれでええと言える?見たら分かるやろ。俺に言わすことないよ」と厳しめの言葉を残した。

 元阪神監督の藤田平氏は「2軍降格前と何も変わってないし、改善されてないように見える。具体的にはタイミングが合っていない。まだ遅れ気味。フォームなどの形より、打撃で一番大事なポイントはタイミング。遅れているのであれば、始動を早くするなど工夫していかなければいけない」と改善すべきポイントを指摘した。続けて「タイミングの合わせ方というものは、第三者から伝えることが難しい部分がある。だからこそ、普段の練習から自分に合ったタイミングの取り方を探り見つけておくことが大事」と助言した。

 阪神OBの中田良弘氏は「一番はバットが振れてないよね。新人の時なんかは、いくら三振しようともバットを思い切り振っていたけど、今は空振りすること、三振することを怖がっているのか、当てに行くようなスイングも目立つ。今の佐藤に投手は怖さを感じない。厳しい言い方をすると、このままでは並の選手で終わってしまうんじゃないかという心配すらしている」と語った。

 中田氏は打席内、打席後の表情にも触れた。「元からガッツを前面に出すタイプではないのかもしれないけど、まだ若いのにギラギラしたものを感じないんだよね。ここで俺が打ってやるんだ!決めてやるんだ!というような気持ちが、目からも表情からも伝わってこないのが寂しい。目に生気が宿ってないように見えてしまうのもね」と結果に加え、戦う表情に欠けているように見えてしまっている点を残念がった。

 1年目から24本塁打、2年目にも20本塁打を記録するなど、大山と並んで待望久しかった和製大砲。期待値が高いため、ファンの反応も素早く、そして厳しい。ネットでは「何を狙ってるのか全く見えない」「来た球振ってるだけやん」「迫力ないな」「覇気出せ」など、変わり身に期待を寄せていただけに、現状の佐藤輝に対するジャッジは辛らつだ。

 中田氏は「何も怖がる必要はないし、もう一回、ルーキーの時のような気持ちとスイングを取り戻してくれたら、たとえ結果が伴わない時があったとしても、見ている方は納得できることが多いはずだよ」と、悩める主砲に原点回帰のススメを説いた。

 11日から始まる2位・DeNAとの3連戦に向け、岡田監督は「終わってしまうんか、終わらんかやろ」と最後通告を突きつけた。「打つのも見たいし、打てんのも見たい。どう打っていくかやな。それはもう、ゲームの中でしか見られへんやんか」と、左腕・笠原が先発する11日のDeNA戦でもスタメン起用を継続する方針を示した。

 祖父母が観戦予定の佐藤輝は「いいところを見せられるように頑張ります」と短い言葉に決意を込めた。打率・219、9本塁打、38打点というここまでの数字は本人も納得していない。当たりが強いと感じる言葉も期待の裏返しで、どんなに厳しくても評価されているうちが華。監督、コーチ、家族、親友などの近い関係者が救いの手を差し伸べてくれるが、この壁を打ち破るのは自分にしかできない。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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