【スポーツ】21世紀最少メダル獲得数 平井コーチ危機感「弱くなる時はこんなに一瞬」「来年に向けて相当頑張らないといけない」

 24年パリ五輪へ向けて苦しいと言わざるを得ない。新型コロナによる2度の延期を経て開催された22年ぶりの自国大会。競泳は8日間の全日程が終わり、日本は瀬戸大也(29)=CHARIS&Co.=の銅、本多灯(21)=イトマン東京=の銅の計2つのメダルに終わった。金銀はなく、上記2人以外に表彰台争いを見せた選手もなし。世界選手権だけで見れば、21世紀に入ってから過去最低のメダル獲得数となった。「メダル5個獲得」を目標に掲げていただけに横山貴ヘッドコーチは「かなり世界と離されていると感じる。今の日本の実力」と率直な感想を口にした。

 今季の日本代表選考は、自国開催や若手育成を理由に、代表派遣選考タイムを下げた。日本水連が主要国際大会8位入賞相当のタイムを算出した「派遣3」の標準記録ではなく、世界水連が定めるパリ五輪出場の最低タイム「パリスタンダードA」を適用。そのため今大会は40人の大所帯に。経験を積ませるという意味では未来につながった。ただ深刻なのは個人種目に出場した32人のうち半数以上の24人が、4月の選考会よりタイムを落としていること。

 国内開催で時差や食事の影響はなく、海外遠征に比べれば地の利は十分あったはず。選考会と同タイムで泳げば、決勝に届いていた選手も多かった。それだけに梅原競泳委員長は「本番で(力を)出し切れていない。その要因は強化の方法もあるのかもしれないけど、やっぱり国際大会で力を出す、自己ベスト更新が達成されてないのが敗因」。今大会の調整失敗はいなめなかった。

 五輪前年の世界選手権。パリ五輪へ向けて海外勢との力の差を測る最後の舞台だった。16年リオデジャネイロ五輪前の15年世界選手権(カザン)は4つ(金3、銀1、銅0)。東京五輪前の19年世界選手権(光州)は6つ(金2、銀2、銅0)だった。日本代表コーチの平井伯昌コーチは「すごく頑張ってきて強くしてきたつもりなんですけど、正直言うと弱くなる時はこんな一瞬なんだなという感じはすごくする。来年に向けて相当頑張らないといけない」と危機感を口にした。

 競泳は日本に取って五輪の顔。これまで数々の感動や名言、名シーンを生み出してきた。夢舞台まで残り1年。日本勢の巻き返しに期待したい。(デイリースポーツ 競泳担当・谷 凌弥)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス