【野球】阪神2軍 地方開催の意義とは 「めっちゃうれしかったです」村上も生んだ野球教室とセット

 阪神2軍は7月28日から岡山県倉敷市と香川県丸亀市で広島との3連戦を行った。コロナ禍で開催できていなかった地方での2軍主催試合は、昨季から再開され、今季も8試合が予定されている。1軍と比べて観客動員が少なく、営業収益があまり見込めない中でも2軍戦を地方開催する意義とは-。監督、選手、スタッフ、それぞれが胸に秘める思いは同じだった。

 象頭山を望む雄大な景色のレクザムボールパーク丸亀での2連戦。29日は4149人、30日は3155人のファンがスタンドに詰めかけ、和田2軍監督は「普段、プロ野球を見られない場所で試合ができて、野球振興にも役に立てれば」と願いを込めた。

 地方開催は球団の一存で決められるものではない。地元の自治体や企業の協力があって成立する。丸亀の場合は、市が中心となり実行委員会が結成された。球団の営業担当者は「ビジネスにならなくても、地方の主催社さんには開催の意義を感じていただいてます」と収益は二の次の連携に感謝。「テレビで見ている野球を地方の方々に親しんでいただくのが、ひとつの意義。1軍は気軽に動けないので、ファームになりますけど見ていただければ」と強調する。

 今季の地方公式戦は8試合。6月には北陸で独立リーグのチームとの練習試合も行った。2025年には尼崎へのファーム施設移転を控えるだけに、「新球場がまずメインになりますから。地方を増やすと、新球場が減るジレンマがあって。できる範囲で地方の野球振興に力を入れたいと思ってます」と将来的な展望を説明した。

 2軍地方試合とセットで企画されるのが、現地での野球教室。31日にも丸亀で実施され、約100人が参加した。長年続けてきた取り組みで、参加者からはプロも誕生している。村上もその1人だ。

 小学生時代に故郷の淡路島で阪神2軍の野球教室に参加しており、「ただの野球小僧やったので、選手と触れ合えるのはめっちゃうれしかったです」と述懐する。「それ(野球教室)で野球好きになってもらえたらいいですし、野球人口も減ってるので増やせたら」と村上。野球振興にかける思いは1軍も2軍も変わらない。(デイリースポーツ阪神担当・丸尾 匠)

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