【野球】夏の甲子園 準決勝4校共通のカギ握る継投 クーリングタイム直後は失点多い?実際には-

 全国高校野球選手権の準決勝は21日に甲子園球場で行われる。

 日本一まであと2勝。第1試合では、夏連覇を狙う仙台育英(宮城)に強打で勝ち上がってきた神村学園(鹿児島)が挑む。第2試合では慶応(神奈川)と土浦日大(茨城)の関東対決となった。

 近年の傾向と同じく、今夏も複数の好投手をそろえる4校が勝ち上がってきた。甲子園に入り、4校とも1投手が完投した試合はなし。接戦も複数投手をつないで勝ち切っており、準決勝、決勝でも継投が勝敗のカギを握りそうだ。

 投手の状態を見極めるひとつのタイミングが、今大会から導入された五回終了後に入る10分間のクーリングタイム。もともとグラウンド整備後の六回は得点が入りやすいと言われているが、さらに時間が空く。

 準々決勝でも沖縄尚学の好投手、東恩納が六回表に慶応打線に捕まり、まさかの一挙6失点。試合後、慶応の森林監督も「東恩納君は前半もう少しのんびりいきたかったと思うが、力を入れてくれていた。それで、クーリングタイムの後にガクッとくるというのはうちのチームでもあるので、それが六回にきたんじゃないかと思います」と、相手エースの変化を見逃さなかった。

 8強に進出した花巻東・佐々木監督もクーリングタイム導入には感謝しながらも、初戦後に「(先発の)小松も六回からボールが落ちた。体にキレがなくなったように思った」と難しさを口にしており、六回は要注意イニングとなる。

 今大会、ここまで45試合のイニング別得点の傾向を見ると、打順が二回り目に入る三回が表裏を合わせて29度と最も多く、初回と四回が27度で続く。クーリングタイム直後の六回は計23度と特別に多くはないが、野球評論家・関本四十四氏が「急激な温度調整をすれば体がついていかない。連戦で疲労もたまっているだろうし、休みすぎてガクッとくる場合もある。注意は必要だろうな」と語る。

 頂点まで残り2試合。総力戦の戦いで、選手のコンディションを見極めるベンチワークにも注目が集まる。

▽今夏甲子園のイニング別、得点が入った回数(表裏合計)

一回…27度、二回…21回、三回…29度、四回…27度、五回…20度、六回…23度、七回…24度、八回…25度、九回…16度(デイリースポーツ取材班)

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