【野球】バウアー残留へ、DeNAはクラファン使って資金を調達する選択肢はないのか 来季争奪戦は必至
DeNAは来季の覇権奪取のため、クラウドファンディング(クラファン)を使い、トレバー・バウアー(32)の残留資金を調達する選択肢はないのか。
岡田阪神が18年ぶりのセ・リーグ優勝に向けてカウントダウンに入った。今後注目されるクライマックス・シリーズ(CS)出場権を得る3位以内確保に向けての争いだろう。2位広島から4位巨人までは4ゲーム差。特に3位・DeNAと巨人は1・5ゲーム差しかない(11日現在)。両チームともシーズンの最後の最後まで負けられない戦いが続くことは間違いない。
今季、ペナントレースの大本命と目されていたDeNAだけに、この位置での順位争いは不本意かもしれない。もちろん、CSを勝ち抜いて日本シリーズに出場。3度目の日本一に輝くチャンスは残っているが、来季こそセ・リーグの優勝を勝ち取るためには、さらなる戦力アップ&確保も必要だろう。
今永昇太投手(30)のポスティングでのMLB移籍問題も懸案事項のひとつだが、忘れてはならないのがバウアーの存在だ。バウアーは「右腸腰筋遠位部損傷」と診断され、出場選手登録を抹消されている。現在は神奈川県横須賀市内の2軍施設でリハビリを行い、10月中旬から始まるCSでの復帰を目指している。
ここまで10勝4敗、防御率2・76と好成績を挙げているバウアーの復帰は、CSを勝ち抜くためには必要不可欠だが、その先に残留問題が待ち受けている。
バウアーは今季1年契約で、年俸が基本給300万ドル(約4億3000万円)プラス出来高100万ドル(約1億4300万円)といわれている。MLBで投手としては最高峰のタイトルであるサイ・ヤング(CY)賞に輝いた実績を持ちながら、彼の年俸は日本球界最高額のソフトバンク、ロベルト・オスナ(28)の推定6億6500万円を下回っている。
それには理由がある。バウアーは今季がドジャースと結んだ3年契約の最終年。約2250万ドル(約32億円)がドジャースから支払われている。そのため、DeNAは“格安”ともいえる年俸で獲得することができた。
ところが、来季からドジャース負担分はない。バウアーは今季1年契約のため、来季はMLB30球団を含め、日米どの球団とも契約が可能になる。もし、日本球界に残留となれば、マネーゲームとなるのは必至だろう。
人気球団のDeNAだが、無尽蔵に資金があるわけではない。ここはファンの力を借り、今はやりのクラファンで資金を調達する道も視野に入れていいのではないか。過去、プロ野球球団が資金調達のため、クラファンを利用した例はない。煩雑な手続きもあるだろう。
だが、古くは資金難から球団存続の危機を迎えた広島カープが広島市民に対し「たる募金」という募金活動を行い、乗り切った例もある。その「たる募金」で球団と地元の絆がさらに強くなり、今に至り市民球団として愛されている。バウアー残留に向けてのクラファンは、ファンとの一体感を増すためにも決して悪い手ではない、と思う。(デイリースポーツ・今野良彦)