【野球】広島 下馬評覆す奮闘も、5年ぶりの覇権奪回ならず 再び阪神への“挑戦権”得る戦いへ
9月14日、阪神が18年ぶりにリーグ優勝を達成し、新生新井カープの5年ぶりの覇権奪回はならなかった。2019年からは4年連続のBクラスと低迷。しかし今季の広島開幕前の下馬評を覆す勢いで必死に戦ってきた。
開幕は4連敗スタートとなるも、以降は盛り返して白星を重ねたシーズン序盤。苦手と言われた交流戦も勝率5割で乗り切り、後半戦の勝負どころに備えた。7月12日からは10連勝も飾り、破竹の勢いで虎視たんたんと頂点への歩みを進めた。
痛かったのは8月中盤の連敗だ。8日から始まったヤクルト、中日との敵地6連戦でチームはまさかの5敗1分け。7日時点で2・5だった首位・阪神とのゲーム差は、一気に8にまで広がった。
7月12日からは西川が右脇腹肉離れのため離脱。8月12日には秋山が「右下腿(かたい)ヒラメ筋筋損傷」で出場選手登録を抹消された。若手の台頭が期待される中、レギュラーの座をつかむまでには至った選手はいなかった。西川が不在の期間、4番を担ったのは菊池、上本ら中堅組。フレッシュな戦力によるチーム全体の底上げはならず、勝負どころで主力選手を欠いたことも要因となった。
そしてチームは今季の甲子園で2勝9敗1分けと大きく負け越した。同球場では打線が沈黙する試合も目立ち、特に阪神投手陣では今季から加入した大竹に苦戦。計6度の対戦で0勝5敗、対戦防御率0・64(15日時点)と“天敵”になった。
逆転優勝へ望みをつなぐために必勝を期した8日からの敵地3連戦では悪夢の3連敗。引導を渡される結果になった。V逸が決まった14日のヤクルト戦後、新井監督は決して後ろを振り返らず「まだ阪神との戦いは残っている。CSもある。まだまだ先がある。今、総括することはできない。自分たちは、また次の目標に向かってみんなで頑張っていきたいと思います」と口元を結んだ。
まずは2位を死守することが肝要。ポストシーズンで再び阪神と戦う“挑戦権”を得るため、これまで通り一戦必勝で勝ちにいく。(デイリースポーツ・向 亮祐)