【野球】DeNA・バウアーは来季どこでプレーするのか「これからは世界中のファンを楽しませることだけに集中していきたい」性的暴行疑惑の女性と和解報道 MLB復帰か、DeNA残留か、それとも…
AP通信など複数の海外メディアが2日(日本時間3日)、米大リーグ時代に性的暴行疑惑で訴えられていたDeNAのトレバー・バウアー投手と、相手側の女性との間で和解が成立したと報道した。
2020年にサイ・ヤング賞を獲得したメジャー通算83勝のバウアー。2021年にドジャースと3年契約を結んだが、同年に女性への性的暴行疑惑で制限リスト入り。大リーグ機構から出場停止処分を科されてドジャースから自由契約となり、今年3月にDeNA入りした。
ドジャースとの3年契約は今季が最終年で、今季年俸2250万ドル(約33億円)はドジャースがほぼ負担することから、DeNAは出来高払いを含めた推定年俸4億円という格安の1年契約を結ぶことができた。
右腕は今季19試合に先発して10勝4敗、防御率2・76と活躍。8月30日の阪神戦で右腸腰筋遠位部損傷を患い、現在は懸命なリハビリに取り組んでいる。
闘志あふれる投球スタイルに加え、150キロを超える直球に多彩な変化球を交えてリーグ5位タイの10勝、同5位の130奪三振をマーク。中4日での登板もいとわず、チームに勝利を運び込んできた。
惜しくも1998年以来、25年ぶりのリーグ優勝を導くことはできなかったが、投手陣の柱としてチームを引っ張ってきた実績に疑いの余地はない。米大リーグでのプレーを難しくさせていた性的暴行疑惑で和解がなされたことで、来季のバウアーはどのユニホームを着て腕を振るのだろうか。
MLB関係者によると「和解したとはいえ、性差別、人種差別につながる問題に対して、各種団体からの見えない圧力が相当あると聞いている。だから、各球団がそういったリスクがあるのを承知で手を挙げるとは考えにくい。バウアーとつながりのある監督やGMがいる球団が、もしかしたら獲得に動く可能性は否定できないけど、現実問題としては、まだMLB復帰は難しいように思う」と解説した。
MLB復帰が難しいとなれば、NPBでのプレー続行が現実的と考えるのが妥当か。ただ、DeNAが今季結んだとされる1年契約の推定年俸4億円は破格の格安条件で、NPB他球団への移籍は認めないという契約条項がなければ、資金力のある他球団が手を挙げる可能性は否定できない。
バウアーはこの日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「この2年間、私は公の場で自分の誠実さと評判を守ることを余儀なくされてきたが、これが最後であることを願っている。これからは自分の仕事をすること、野球の試合に勝つこと、世界中のファンを楽しませることだけに集中していきたい。なので今日、自分の人生を歩んでいけることをうれしく思う」との動画を投稿した。
CS進出を決めているDeNAは、レギュラーシーズン最終戦となる4日の巨人戦に、CSファーストSの本拠地開催をかけて挑む。リーグトップの16勝左腕・東が先発する注目の一戦になるが、バウアーの去就も注目を集めることになりそうだ。(デイリースポーツ・鈴木健一)