【スポーツ】一周忌を迎えたアントニオ猪木さん プロレス甲子園大会開催構想が明らかに 今年の阪神優勝とも深い縁

 アントニオ猪木さん命日だった10月1日、墓地のある横浜市・曹洞宗総本山の総持寺で一周忌の墓参が行われた。猪木信者の中には赤いマフラーを持った人はもちろんのこと、あまり見かけない黄色いマフラーを巻いて、お参りしていた人もいた。黄色いマフラーとは猪木元気工場と阪神タイガースがコラボして作製した「闘魂マフラー」のこと。猪木さんはタイガースとは縁があったようで、甲子園が大好きでプロレスの甲子園大会構想を温めていたという。

 2011年7月13日、甲子園での阪神対巨人伝統の一戦で猪木さんはタイガースに闘魂を注入していた。六回の攻撃が始まる前、炎のファイターが流れる中、聖地のグラウンドを踏みしめた。「元気ですかー!。元気があれば何でもできる!」と気合を入れ、そして最後に「1、2、3、ダァー!!」のかけ声に4万6322人の大観衆のボルテージは最高潮に。この日、猪木さんに闘魂を注入されたおかげか、タイガースはサヨナラ勝ちした。猪木元気工場(IGF)の宇田川強取締役は「すごい盛り上がって、翌年も行くことになったんです」と明かす。12年もグラウンドで黄色のマフラーを巻き「1、2、3カンパ~イ!」とビール片手にかけ声をかけ、球場は大盛り上がり。猪木信者はさらに増えたのだ。

 宇田川取締役は猪木さんの甲子園への思いについて「現役のときからプロレスの興行は全国各地でいろいろやっていますけど、構想はあったと思いますよ。屋外なので収支のリスクもありますけど、昔、力道山の試合を後楽園球場でやっていたように、今の東京ドームみたいな大規模会場でやりたいと。関西の熱いファンの多い場所じゃないですけど、(甲子園に)特別な感情は持っていたようです」。甲子園での興行でプロレスを盛り上げる計画を練っていたのだ。

 今年は18年ぶりのタイガースのリーグ優勝を猪木さんも喜んでいるかもしれない。かつて猪木さんが巻いていた黄色いマフラーをもとに今年6月下旬、タイガースとのコラボ商品「闘魂タオル」が発売された。「タオルを販売されてからタイガースがどんどん連勝していって、さらに猪木展が始まった8月3日から連勝し続けました。猪木展が終わった15日に連勝が止まりましたし、猪木展が終わった3連戦で久々に負け越しましたから。『しっかりしろよ』と言っていたかもしれません」と宇田川取締役。確かに東京・京王百貨店で行われていた猪木展中、阪神は10連勝して、IGF関係者の間では猪木さんの闘魂注入がタイガースに好影響をもたらしたのではと話題になっていたとか。11月には大阪で猪木展のようなイベント開催を計画中という。そのころタイガースは1985年以来のあれ?か何か?を遂げているかどうか。猪木さんも天国から見守っているはずだ。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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